THE Uguisuの衝撃

markこと加藤麻季が監督/脚本/主演/音楽の映画『THE Magician』を観た。
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月曜日に観た西光祐輔が「まじでヤバイ。最終的には"自分が間違ってた"と思うぐらいヤバイ」と話していて、これは観なくてはいけない、と思い、池袋まで行った。

夜の池袋は猥雑な雰囲気で、映画館が入っているロサ会館はゲームセンターや焼肉屋などが混在する古い建物で、気に入ってしまった。出入りする女の子たちがみんなやらせてくれそうな感じに見えた。

それはともかく『THE Magician』だ。

15分の短編だが、その濃密さは同時上映の他3本の比ではなかった。四本ともそれぞれ面白かったのだが(特に『スーサイドサイドカー』の長宗我部陽子の美しさは白眉)、『THE Magician』の、何かを伝えようとして放射されるパワーの根源的な強さは、完全に別格だった。

低予算ゆえのイノセンス(いわゆるヘタウマ感)という表層的なイメージでは測り切れない強度は、宇波拓がしきりに「ゴダールみたいだった」と言っていたとおり、映画という媒体のエッセンスそのものに肉迫する。

何かを本気で伝えようとしている、そのパッションが胸を打つ。そして、一般的には荒唐無稽にしか見えないカットが連続する展開が可愛くて笑ってしまう。主演であるmarkこと加藤麻季のキュートなファッションにも注目だ。

彼女が「こだわった」というエンドロールでは自作のイラストが数枚映し出されるのだが、「THE Uguisu」という絵が出てきたときには腹筋が痛くなるほど笑いを堪えた。その後「THE」とだけ書いたラクダの絵が映し出され、もう、堪えきれずシートに身を沈めてしまった。それらの絵がけっこう長い時間大映しになる贅沢な構成なのだ。

「何でラクダは"THE"だけやねん」とツッコミたくなる気持ちこそが彼女の言う「想像力」の喚起なのだと思った。

何かを表現する力、その本気度。「何をやってもいいんだ、本気ならば」という勇気を与えてくれる映画。

上映はあと一回。明日3月4日(金)、池袋シネマロサ。みなさん是非。

http://www.cinemarosa.net/spotted63vol2.htm
http://www.cinemarosa.net/annai.htm
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by kamekitix | 2011-03-03 01:13 | Review
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