9月25日

わたし47才会社員なので人間ドックをもう12年連続受診していることになる。

大阪、名古屋、東京と複数の医療機関で受けてきたのだが、ここ数年恒例になっている名古屋市昭和区にある健診センターへ今年も行ってきたので克明にレポートしよう。

もし、まだ人間ドックを受けたことがないという若い読者の方がいらっしゃればぜひ参考にしていただきたい。そう思います。



人間ドックの朝は早い。8時集合である。

前日までに二本の容器に大便の採取を済ませ(大便の採取方法についても、その手際を詳しく語りたいのだが今回は割愛する)、問診票の項目を漏れなく記入をしておくことが肝要である。

記入漏れがあると受付で突き返されてロスタイムが生じ、後から来た人に順番を抜かされるという屈辱を味わうことになる。

ちなみにこのセンターは、8時集合と言いつつ実は7時半には開場されていて、来た人が順番に名前を書いて待つ(ファミレス式)。

ちなみに今回、私は7:45に入って四番目だった。



首尾よく受付を済ませると、ロッカーの鍵を渡されて「着替えてこい」ということを言われる。

座敷みたいなロッカー部屋で、用意されている薄い生地のトレーナーに着替えて、受付に戻ると、今度は紙コップを渡されて「そこのトイレで小便を取ってこい」ということを言われる。

そう。小便をするのだ。だから、健診センターに入る前に駅のトイレでおしっこをしてはいけません。

トイレの小窓におしっこ入りカップを置いて、また受付に戻ると、書類を渡され「これを持って右へ歩いてゆけ」ということを言われる。

ここからが本格的なツアーの始まりだ。

これまで私の眼前に現れていたのは、オフィスレディ風の制服を着た若い美女たちだったが、ここからは白衣をまとった人々が対応してくれる。



まず採血コーナー。ナース姿の若い女性が抜いてくれる。



続いて身長体重、血圧、聴力、視力、眼圧、肺活量と測定が一気に進められる。

早い時間帯なのでスタッフのみなさんも「こいつら早めに処理していかんと後がつかえるからな」という感じで猛スピードで各測定が施される。

「役所でたらい回しにされる」などという言葉があるが、人間ドック前半戦ほど社会人があからさまにたらい回しにされる機会はない。

ダサいデザインの薄手のトレーナーを着たおとな達が見事にたらい回しにされている。

ただ、これは正しいたらい回しの舞台であり、受診者は快くスピーディーに回されるべきだ。

「これではたらい回しではないか!」などと怒る人はひとりもいない。



去年、聴力検査のコーナーでパニック発作をおこしかけた。

「小さな密室に入ってヘッドフォンをつけて音が聞こえたらボタンを押す」というやつだが「その部屋に入ってしまうと内側から開けることができないのでは」という強迫観念があって、今回も少し憂鬱だったのだが、よく見ると、いやよく見なくっても思い切り密室のドアの内側に普通にドアノブが付いていて、その気になればいくらでも出れることがわかった。

ぜんぜん怖くない。

この一年、おれは何に怯えていたのだろうか。



肺活量の測定は、受診者のMAX値を引きだすためにスタッフの女性がとても頑張っておられる。

芝居がかった大声で「吸って吸って吸ってー!もっと吸って!もっともっともっと!」「思いっきり吐いてー!まだまだまだー!もーっともっともっと、もっとー!」などと煽ってくれる。

穏便かつ密やかに粛々と進められる他のコーナーと比して、この全館に響き渡るような喧噪は異質だが、彼女のテンションが受診者のモチベーションと肺活量値に大きく影響するのだ。

毎年思うのだが、この肺活量測定を担当するスタッフの技量を競う全国大会はないのだろうか。

あったら見てみたい気もする。



続いて、エコーと呼ばれる超音波カメラによる腹部の撮影。

これが私個人的に最大の難関である。

毎回、胆嚢にポリープが見つかるという事態も一因だが、それ以前に、笑ってしまうのだ。

腹部の皮膚全体に温かいゼリーを塗られ、ローラーが付いてると思われるバーコードリーダーみたいな器具でグリッグリグリグリやられる。

わたくしは生まれつき、おなかを触られるのが苦手で、もう、すぐに笑っちゃうの。感じやすいんだ。

かつてフェラチオの最中に脇腹を触られて身をよじって爆笑してしまい、女の子の顎に膝蹴りを入れてしまったことがあるぐらい、おなか敏感なの。

そんでまたこの施設のエコー担当の先生が無表情な若禿のお兄さんで、とても淡泊なトーンで「息を吸って。止めて。楽にして」とか繰り返すのが、もうおかしくておかしくて(笑)。

人のおなかをありえないぐらいグリグリしといてそのクールネスはなんなの(爆笑)。

しかも、は、は、ハゲとる(爆笑)。

もう、すべてがおかしくってたまらないのですが、若干足をバタバタしたりして、なんとか笑いを堪えた。

胆嚢ポリープが悪化していないことを祈る。



心電図の担当は少し年上のお姉さん。

このお姉さんもプロフェッショナルだ。

心電図と、この後の胃部レントゲンの準備である注射担当を兼務している。

全員に「きれいな写真を撮るために~、一時的に胃の動きを抑える~、筋肉注射~♪」と歌うように言いながら注射をしている。

これ毎日やってるんだから大変な仕事だ。

心電図は寝てるだけなので楽。



胸部レントゲンの担当はクールな美女。

小柄で、髪は茶色のボブ。やけに艶っぽい雰囲気を醸しだす。

「誘ってるのか」と思わせる色っぽい目つきで、いわゆる男好きのするタイプである。

しかし、胸部レントゲンは15秒ぐらいで終わるので、束の間のエロスだ。



さて、最後の演目は、胃のレントゲン。

バリウム飲むやつ。

バリウム飲んで12年。

だんだん慣れてきたものの、やはり嫌なものである。

しかし、年々改良されているのか、以前に比べるとずいぶん飲みやすくなったなあ。

味もなんだかヨーグルトっぽい感じがして、ぜんぜん飲める。

数年前まで「まじでセメント」って感じだったけど、だいぶサラサラ感が増した。

バリウムを飲む前に胃を膨らませるための発泡剤を飲む。

これが苦手だと言う人が多いですよねー。

これを克服するのは難しいのだが、私がアドバイスするとすれば、とにかくスピードを重視してほしい。

猛烈に発泡する顆粒と水を手渡されるのだが、顆粒をなるべく喉の奥に一気に放り込み、一秒も置かず、ほぼ同時に水を飲み、鼻をつまんで息を止める。

ゲップしちゃうと何度でもやり直しさせられるらしいのだが、わたしはまだやり直しさせられたことはない。

バリウムが苦手な人にもちょっとしたコツを伝授しておきたい。

バリウムがきついのは「はーい、それでは一気に飲んでくらさーい」って言われるときなんですね。

でも、実はその前に「まずひとくち飲んでくらさい」って言われる瞬間があるので、そこがチャンス。

ひとくちと言われつつ、けっこうたくさん飲んでしまうのがコツです。

「わいのひとくちはこんなもんやでザパー」みたいな勢いで、意外とたくさん飲んじゃう。

そしたら次に「はーい、それでは(残ってるの全部)一気に飲んでくららーい」って言われたときにちょっとしか残ってないので楽です以上。



バリウムは進化しているが、レントゲン撮影手法自体は旧態依然である。

今回の胃レントゲン担当者がまた秀逸なキャラクターの方で、昔の時代劇に出てくるぬぼーっとした役者さんみたいなルックスに蛭子能収さんのテイストが入ったような実に気の良さそうなおじさんだった。

別室に籠った蛭子さんが台を操作しつつマイクで指示を与えるので、そのとおりに動く。

まず台を水平にされて「右から三回転しろ」ということを言われる。

胃の内壁にバリウムを万遍なく行き渡らせるためであろう。

これがけっこう大変。

水平になった板の上でいきなり三回転。めっちゃバタバタします。童心に帰ります。

あとはもう蛭子さんの独壇場。

「少し右腰をあげろ、いや、ちょっと戻せ」だの「手すりをしっかり持て」と言って台を激しく回転し、ほとんど逆さまになった状態で「膝を使って腰を上げろ」とか無茶なことばかり言う。

5分間ぐらいボアダムズでいうところの「あらゆるアホな体位」を演じたあと、正面立位に戻され、最後は「おなか押しますよー」と言って、バーを起動させ、腹を数回かなり強く押してくる。

微妙に位置をずらして攻撃してくる。

再三申しますが、わたしはおなかが敏感で、ここでも爆笑しそうになって、手をバタバタすると蛭子さんがマイクで「痛いですかー、痛かったら右手をあげてください」と言う。

痛くはないので「大丈夫です」とつぶやいて指でOKサインを出した。

おなか敏感なの困る。



最後に医師による簡単な診察があり、聴診器を当てられたり、首を触られたりする。

ここでもおなかを触られたので今度こそ「おなか苦手なんすよふはははは」と笑うと、おじいさん先生も「じゃあやめときましょう」と笑ってくれて、腹部触診は免除となった。



ということで、90分ほどで全行程を終了し、OL風の受付嬢にロッカーの鍵を返して、センターを出る。



吹上駅へ向かう途中の喫茶店でモーニングを食べる。

これも年に一度の恒例行事である。

「シシリアン」という喫茶店で、スパゲティが有名な老舗のようなのですが、いつも朝10時にしか来ないのでスパゲティを食べたことはありません。



バイバイ
[PR]
by kamekitix | 2014-09-25 22:14 | Diary
←menu