名盤カウントダウン_90_Domotic 『Bye Bye』

フランスのミュージシャン・Stephane Laporteさんのユニット、Domotic。
2002年にリリースされたファースト・アルバムがこの『Bye Bye』です。
点描画のような電子音が美しい色彩をもって煌めくロマンティックな名盤です。
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『Bye Bye』は会社の光田くんという後輩に借りたのです。
光田くんは自分より3つ下で、フェスに行きまくるアクティブなロック・ファンであり、リュックの中に常時CDを10枚以上入れてポータブル・プレイヤーで取っかえひっかえ聴いてないと落ち着かないという音楽ジャンキーです。
クラフトワークの大阪公演の会場で偶然会って「テクノ好きなんや」と意気投合して、いろいろCDを貸してくれるようになりました。

エレクトロニカに疎いぼくに、光田くんがまず「これ聴いてないとマズイっすよ」と言って貸してくれたのが、DomoticとPitaとFenneszでした。
ぼくはMEGOというレーベルさえ知らない状態でしたので、これらの音源に大いに興奮しました。

とくにFennesz『Endless Summer』の美しさには正しく度肝を抜かれたのですが、それはまた日を改めて。今回はDomoticです。



全曲インストでボーカルは入っていません。

また通常のポップスとは構造を異にしており、AメロBメロサビ、みたいなフォーマットはありません。

ひたすらキラキラした音が明滅する星の光のように煌めいています。

このクオリティは、アンビエントの最高傑作と賞されるブライアン・イーノ『アポロ』の無重力感にも肉迫していると思います。

オブスキュアで難解な音楽に堕することなく、オルガンのロングトーンがコードを展開する上でシンセが主旋律を奏でるような、メロディアスな面も兼ね備えています。

グリッチ、ブリープといった90年代以降の電子音楽のエッセンスを可愛いバスドラに乗せるリズミックなトラックは、まったくフロア志向ではありませんが、心地好いビートを刻んでいます。

アナログ・レコードの質感を醸すプチプチ・ノイズに漂うようなサンプリング・ピアノのループや深いディレーの効いた打楽器が遠くに響くブリコラージュも、実にドリーミー。安眠を誘います。

ぼくは個人的にこの『Bye Bye』とレイ・ハラカミさんの『red curb』(2001年)が叙情派エレクトロニカの双璧だと思っています。

また、これほどまでに音像を如実に表したジャケットはないのではないか、というぐらいアートワークも美しいアルバムです。

バイバイ
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by kamekitix | 2014-12-02 23:25 | Diary
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