カテゴリ:Review( 48 )

20
Fickle Friends | Velvet



19
Homecomings | Sale of Broken Dreams



18
Liima | ii



17
moby | long ambients1: calm. sleep.


16
Sing Street | (original motion picture soundtrack)



15
ハポン。 | ハポン。
c0086766_23431820.jpg


14
プラスチック米 | RAP no RENSHU
c0086766_09250305.jpg


13
があこ | があこはだいどころに



12
川本真琴withゴロニャンず | 川本真琴withゴロニャンず



11
辻林美穂 | clarte



10
石野卓球 | LUNATIQUE



9
サニーデイ・サービス | DANCE TO YOU



8
FLASHLIGHTS | Shadows and Lights



7
豊田道倫 | ホルモン、ビール、ナポリタン、コーヒー/悲しいひと
c0086766_21035549.jpg

6
METAFIVE | META



5
David Bowie | Blackstar



4
スピッツ | 醒めない



3
Charlie Hilton | Palana



2
The Avalanches | Wildflower



1
sora tob sakana | sora tob sakana















[PR]
by kamekitix | 2016-12-11 00:00 | Review
このレビューを楽しみにしてくださっている方が世界に7人ぐらい確認できています。
ありがとうございます。
今年も強硬に辛口で行きたいと思います。
気分を害される方もいらっしゃるでしょう。
勝手に害しとけや。しらんがな。
おいこら今年はアシスタントはおらんのか。
清水富美加はずいぶん売れっ子になってしまったな。
オープニングに件の東京のハゲコンビを使っていて未曾有の滑りっぷり。
「新たなスターが生まれる番組」みたいな切り口になっていて、フットカットバトルに出るのにオーディションがあったりしたみたい。愚の骨頂だ。
「狙っちゃダメ」に決まってる。そんなの鉄則でしょ。そんなこともわからない若者たちがオールザッツを制作しているのだろうか。
ラガーマンがどうとかいうサブ企画も全体的にクソ寒くて、ネタ以外のシーンはガン無視で演者のレビューのみ書いていくよ。

【フットカットバトル】

■一回戦

霜降り明星 127
「似てるけどその曲知らん」で微笑。あの光速ボケの粗品くんが普通の漫才をやっているのが惜しい気がする。彼はもっと出来るはず。一昨年の当ブログに書いた「スーサイドのアラン・ベガがペナペナのシンセじゃなくてバンド生演奏で歌いだしたような違和感」がまだ拭い去れないのだ。

尼神インター 189
いろんな女性のものまね。振り幅が広く、演技力も高く、優れた演者であると言えよう。

ヘンダーソン 153
石焼き芋ネタ。面白いけどオリジナリティに欠ける。着想力に限界を感じる。

ジェラードン 95
まさかスティービー・ワンダーが出てくるとは。1分にすべてを賭けた構成で潔いが、芸人としての実力はまったく見えないネタだった。

アイロンヘッド 147
声の張りが弱いネタ。キャラクターが立ってきた印象はあるが器用貧乏という感じ。

セルライトスパ 118
ふたつの言葉を同時に言う。ご褒美に与えられるジャッキーカルパスをいちいちポケットに入れる。なぜランドセルなのか。いや当たり前のように言う「ジャッキーカルパス」っていったい何。本筋のネタに複合的に謎要素が絡められていてセンスを感じる。セルライトスパは面白い。

大自然 165
ふたりとも良い人。声が優しい。結成一年目というから大型ルーキーだな。タレントとして潰しが利きそう。

ひゃくにん 120
誰が見てもすごいと思えるカスタネットの弾き方は単純に素晴らしい。女装しているツッコミの男子も可愛い。劇場にさえ出ていない、とアピールしていた。頑張ってほしい。観覧席にいてときどき映るアインシュタインの河井くんも可愛い。おれはもうバイセクシャルかもしれない。

おいでやす小田 78
これはきつい。見ていてつらい。声質が細くて舞台に向いてない。あまり人前に出ないほうがよいだろう。

魁バーバリアン 66
沖縄から来たそうですが、すべてがダメです。

中山女子短期大学 112
エアロスミスの「Walk This Way」に乗せて同級生を紹介。1986年生まれはいろんな人が活躍しているんだなあ。岡田有希子が死んだ年だ。

ガンバレルーヤ 122
YUKIのPVを忠実に再現したとのこと。ブサカワの極致。チャーミングな女の子たちなので許せる。


ZAZY 103
シュールを通り越したフリップ芸。難解にも程があるが、ある意味テントさん的なポジションの後継者になりうる異端を感じる。

横澤夏子 171
横澤彪と関係があるのだろうか。シンプルな女子あるあるネタだが、描写が可愛すぎる。こんなの好きに決まってる。

男性ブランコ 126
通りすがりに肩がぶつかって喧嘩になる二人が気の小さなコミュ障だったら、というシチュエーション。もうちょっとわかりやすく練れるネタのような気もしました。

ロングコートダディ 129
構成が凝っていて良い。鳥としゃべっているというオチは予測不能。1分でこれだけのドラマを見せるのは素晴らしい。

ゆりやんレトリィバァ 132
「オブラートに包んできた」という出オチ。彼女ほどの才能があればもっと展開できたはずだ。

藩飛礼 47
広島吉本のエースだそうですが、逆に層の薄さを露呈。去年出た名古屋のオレンジも酷かったなぁ。地方よしもとの存在意義を憂う。

見取り図 135
何もしてないのに警報を鳴らされたネタ。面白いけど、それだけだ。

クロスバー直撃 159
鮭ハラスメント。まあ例年のに比べるとストーリーがあって面白かった。

■準決勝

横澤夏子 147
聡明で洗練されていて、普通に可愛いんだよなぁ。「新宿高島屋9Fの水野さん」見に行こうぜ。こういう可愛くて若い女性芸人の売れ方は注目すべき。

アイロンヘッド 143
バタバタうるさい。

クロスバー直撃 150
シューマイとねりからし。漫才でもコントでもなく、完全に仮装大賞。作り込んでるな、と思うけど、別に笑えない。

ヘンダーソン 124 
石焼き芋ネタを引っ張った。MCバトルみたいになって面白いけど、もうひとヤマないと、バトルにはならない。

大自然 146
このルール無視のトーンは何なんだ。受けようが受けまいがどっちでもいいと思っているようなマイペース。泰然自若。まさに大自然。

尼神インター 176
ハイスクール漫才ネタで爆笑。「ありがとうございました」にスタッフがつられてしまって強制終了となった残念なエンディング。

■決勝

クロスバー直撃 139
「芋だめし」というシュールな設定で攻めたが、今年も準優勝。

尼神インター 159
渚ちゃんの話し方が丁寧でもはや介護スタッフの域に。誠子さんの演技力とのギャップが凄い。「ごめんみんな帰って」に爆笑。ふたりとも可愛い。今年は横澤夏子、ガンバレルーヤと可愛い女の子たちが目立った。ラスト、マイクが拾うツッコミパンチの音は「パシン」よりも「ゴンッ」に近い本気の殴打。爽快なエンディングで優勝。

【ネタ組】

笑い飯
ロープウェイのネタ。これずいぶん昔からやっていますよね。原点回帰か進化を諦めたのか。いずれにせよあまりウケていなかった。

テンダラー
旧態依然の漫才のスタイルを逆手に取ったアプローチで安定している。プロフェッショナルだと思う。

トレンディエンジェル
軽薄で下品な印象があり、一瞬も笑えない。自分が考える「優れた漫才」とは真逆にあり、これが有名な漫才コンテストで優勝したという事実を憂慮する。

コロコロチキチキペッパーズ
申し訳ないのだがつまらなさそうだったので早送りした。

おかずクラブ
くどくて見てられない感じだったので早送り。粘っこくて、うるさくて、こういうの見たくない。年をとると脂っこいものが苦手になる。

バンビーノ
バタバタうるせーな。

ジャルジャル
演歌歌手か落語家かわからないネタ。「気持ち悪いネタやな。受けるわけない」で爆笑。ジャルジャルのキャラクターが定着したせいか安心して見れるだけでなく、そのチャレンジングな姿勢がアベレージ以上でキープされている。もはやシュールとか前衛的とかいう形容は不要だろう。

ダイアン
ネタの当たり外れが激しい印象だったが、もう何でも面白い域に到達。「貴殿」「敬語で言ったら怒られない」「ハンチング被った麻薬ゴリラ」など、相変わらず余白の多いボケ、イマジネーションを駆り立てる話芸が最高だ。

COWCOW
話芸でもなんでもない上に、クソつまらない。一瞬も笑えない無駄な時間。COWCOWはなにか大切なものを忘れてしまったようだ。

ミサイルマン


スッチー&真也
「何をうっすら弾いてんねん」で爆笑。長年迷走したキャラが固定されたスッチーが可愛い。須知軍曹とか言ってたころが懐かしい。

ザ・プラン9
いつの間にかトリオになっていて、しゃべくり漫才。精緻に練られたコントに慣れているので、やや物足りない感は否めない。

かまいたち
すごく苦手なコンビだったが、こないだ観たM-1の敗者復活戦のネタが面白くてちょっと見直した。今回もスタンガン出してくるところで笑った。

和牛
死んでしまった相方に贈る歌。冗漫ではあるが、オーソドックスな構成。どうしても太平かつみにしか見えないツッコミの安定感。

藤崎マーケット
長年やっている「おるおるものまね」。芝居がうまくて汎用性を感じる。バイト先のふたりとか可愛いんだわ。「黒糖ドーナツ棒」で動画検索。

天竺鼠
ただラジオ体操をする、あるいはしない。彼らだけに許された開かれた世界があり、そこはウケる/スベるという二律を超え、善悪さえ超越した彼岸。天竺鼠の舞台が虚実を超越していることは自明であり醸し出される時空は涅槃に肉薄。天竺鼠を天竺鼠として認めるということは逆説的に天竺鼠は存在しないという世界観を認めていることになる。当然乍ら面白いとか面白くないとかどうでもいい。

アキナ
「何を飲んでたんや」という、終演後のジュニアのツッコミでようやく成立した一発芸。フットカットに出てる若手に「これぞドタバタ芸」という心意気を見せた感じだろうか。しゃべくり漫才を放棄しているというネガティブな見方もできてしまう。

銀シャリ
ダレダレでつまんないネタだった。怠慢だ。

学天即
「芸人は浮気されるな、せえよ」で爆笑。内輪話に昔からやってるボケをトッピングした軽いネタで作り込んでない。本領発揮とは言えず、残念だ。

スマイル
ウーイェイもより破天荒になって良くなってきている。滑ったら果てしなく滑降していくリスク承知の捨て身ボケが今夜は輝いた。安室奈美恵のモノマネとか最高だ。

アインシュタイン
もっとちゃんとしてほしい。酔っ払っている感じのボケでスタイルを定着させないでほしいし無理がある。「十八番」は「おはこ」と読むのだ。話芸を伝承するなら美しい日本語を大切にしてほしい。

レイザーラモン
HGがひどくつまらない。もうやめたほうがいい。付き合わされてる感じのRGがほんとにもったいない。早送り。

土肥ポン太
まさかのやまがたすみこに感動。

野性爆弾








[PR]
by kamekitix | 2016-01-04 23:00 | Review


WEATHER 069 / UNKNOWNMIX 41 / HEADZ 211
発売日:2015年12月30日(水)
定価:2,400円 + 税

01. 雨の夜のバスから見える
02. SHINE ALL AROUND
03. ありふれたジャンパー
04. そこに座ろうか
05. 愛したから
06. 24時間営業のとんかつ屋
07. どうして男は
08. ともしび商店街
09. サイボーグの渋谷、冬
10. 帰省
11. I Like You
12. 小さな公園
13. Girl Like You
14. 倒れかけた夜に
15. Tokyo-Osaka-San Francisco
16. また朝が来るなんて

c0086766_1935317.jpg

豊田道倫が誰かに助言を求めているのを見たことがあるかい。おれは一度もない。「Bluetoothのイヤフォン」という歌詞を「ブルートゥルース」と歌っていたので「ブルートゥースやで」と指摘したことはある。知り合って22年いろいろ提案やアドバイスをしてきたが聞き入れられたのはそれだけだ。徹底的に自分のことを自分の手法で歌い続けてきた豊田はそのコアな表現方法ゆえにメジャー・アーティストとして大きな利潤を生むことはなかった。いつでも世論は軽薄な皮相にあり何枚も皮を剥かねば露出しない彼の本質が一般大衆に消費されることはおそらく今後もない。それでもまた朝が来るなんて。わけがわからなくて笑ってばかりの20年。最高にファニーでヒップでロックな歌手が日本にいる。『SHINE ALL AROUND』を聴けば、誰にでもわかることなんだけど。

---

01. 雨の夜のバスから見える
mtvBANDによるニューウェーヴなダンス・チューンで軽快に始まる『SHINE ALL AROUND』。ギターのフレーズなどストイックかつクールでひねくれていてSTEREOLABのミニマリズムを思わせる。実はおれはSTEREOLAB最強説を唱える者でありニュー・オーダーよりマイブラよりSTEREOLABが好きかも、と、こないだ思った。バスの車窓から世界を膨らませるMTリリックの普遍的手法のひとつ。彼は最近車の運転をしていないようだ。

02. SHINE ALL AROUND
工藤冬里さんによる作品。資料には「予測不可能なアルバム・タイトル・トラック」とある。『ROCK’N’ROLL 1500』における弓場や尾崎やおれの役目を冬里さんがひとりで担ってくれたようなキャスティングだと想像すると、このほんの数秒の奇怪な音像は、もう充分な長さである。

03. ありふれたジャンパー
最近のライブで圧倒的な存在感を放っている曲。佐野元春コンシャスな節回しと情景のカット割り、MT特有のシャウトが共存するキャッチーな名曲。『SHINE ALL AROUND』からシングル・カットするならまずこの曲だろう。U-zhaanのタブラだけ従えた贅沢なアレンジ。mtvBANDでがっつり録音してほしいところだが、意表を突いた。


04. そこに座ろうか
9月に発売されたシングル。この曲は本当に凄くて、世界中のひとがひっくり返ってビックリしていいと思うのだが、特に驚天動地の騒ぎが起こったというニュースは耳にしない。誰も聴いていないのだろうか。何がどう凄いのかを盆休みに書いたので以下再掲。主旋律を凌駕せんとする勢いの妖艶なハモリは鈴木祥子さん。根源的マイブラ愛に満ちた怒涛のシューゲイザー。久下さんのパンパンに張ったスネアの激烈なフィルイン。目の眩むような浮遊感を放つ、聞いたことないコード展開のサビ・メロ。しかもサビは一回しか演奏されないという狂気のアレンジ。これほど緊張感の漲るバンドは他にない。まさに極道ロック。


05. 愛したから
割と平面的な感じで淡々と演じられる愛のグラフィティ。かっこいいピンク映画を観たような気分になる。これこそ弾き語りっぽいナンバーなのにまた意表を突いてバンド編成での録音。モテモテMT愛の独白にエッジの効いたメンツが彩りを添える感じが静かにトゥー・マッチ。

06. 24時間営業のとんかつ屋
まず「24時間営業 とんかつ屋 目黒」で検索だ。深夜営業の店はあるけど24時間営業は見当たらないぞ。まぁ個人的にとんかつに思い入れはなく、今後死ぬまでとんかつ食べられないと宣告されても別にいいです。MTは何でもよく食べるね。この曲はmtvBANDによるコミカルなアレンジ。四拍の轟音ロックが散りばめられたキュートな肉食礼賛ソングで、おれみたいな草食系優男へのカウンター・パンチ。

07. どうして男は
ベースを前面に出した珍しいアレンジだな、と思ってクレジットを確認すると岩崎なおみさん(Controversial Spark)による客演。この歌詞はまったく他人事ではなくて、おれが急に自殺したらこの曲のせいだと思ってください。

08. ともしび商店街
弾き語りでよく歌われている最近の定番曲。展開は少ないが、前曲に引き続きドライブしまくる岩崎さんのベースにトンチさんのスティールパンまで繰り出した終盤は爽やかでさえある。おれはスティールパンの音が好きで今年はその名も『STEEL LOVE』というオムニバスCDを買ったりした。Earl Brooks最高。この曲の歌詞は正直よくわからない。安いテレビは「飛行機に乗ってどっかへ行ったあいつ」と一緒に商店街で買ったのだろうか。おれも「本気じゃない」みたいなことをよく言われる。しかし、そもそも「本気」って何。最後はなんだかカッコイイ。この世界そのものが「ともしび商店街」なのかもしれない。ともしび商店街に薬局はあるだろうか。足を捻挫して痛くてロキソニンを買いたいのですが。

09. サイボーグの渋谷、冬
チキチキしたリズム・トラックに乗せて歌いだすのは冷牟田敬。そのあとMTと合唱していくのだが、後半になってこのリズムが打ち込みじゃなくて久下さんのエレドラなのではないかと想像できて「このレコーディング楽しそう」と思った。まさに「サイボーグの渋谷、冬」。そうとしか言えない。

10. 帰省
今年母を亡くし、父は28年前に死んでいるので、帰省する理由を失ったおれにとっては少し感傷的な歌詞。かなり具体的なタッチで親子三代の愛情が描かれていて、ちょっと切ないけど温かくて力強い。カンパニー松尾さんの録音による弾き語りライブ・テイクとバンドでのスタジオ新録をジョイントしたと思われる。バンド・テイクはmtvBAND本領発揮の爆裂サウンド。

11. I Like You
2015年ベスト・シングル。1993年にもらったパラダイス・ガラージのカセットの衝撃が甦る。歌詞のすっとぼけぶりと仄かな恋の情景がフレッシュ&ラッスンゴレライ。今ようやく気づいたけど「おねえさん」のところだけ冷牟田くんが歌ってるんだな。シングルと違って長いアウトロにMMEEGG!!!という女性のコーラスがトッピングされている。画像検索したらなんだか美女じゃないですか。今度紹介してください。この22年間、MTとわたくしはたくさんの女性を紹介し合ってきました。この話は長くなるのでまたの機会に。


12. 小さな公園
加地等のカバーをウクレレ弾き語りで。2011年に急死した同い年のシンガー。MTの詩に頻出する「消えたあいつ」の象徴的なひとりと言えるだろう。これはお節介な言い草だが、加地くんを支えた関係者たちの消息が頼りなくなりつつあるのもMTの自己投影を駆り立てる一因になっているのかもしれない。「思わず口ずさむ無意味な鼻歌を君にあげよう」と歌った加地くんのだらしなくも優しい姿、二度しか会ってないけど、おれも忘れられない。

13. Girl Like You
彼のディスコグラフィの中でひときわ異彩を放つインスト・アルバム『アプローチ』がおれは大好きなのだが、20周年記念アルバムということで『アプローチ』的な作品を録音したのかな。でもこれバンドで録ってるっぽいからエレキギターは冷牟田くんなのかな。謎が多い1分半のインスト。

14. 倒れかけた夜に
宣伝動画を観ると『SHINE ALL AROUND』のリード曲っぽい感じでしょうか。ポップなパンク・チューンだが、コードが複雑であまり一般的な展開でないことは、ギターを弾けないおれにでも理解できる。終盤加速するドライブ感はまるでダムド。以前も無意識にストゥージズに似たフレーズを弾いた曲もあったし、mtvBANDとオリジナル・パンクの近似性について分析してくれるライターはいないかな。

15. Tokyo-Osaka-San Francisco
即興と思われるモノローグの部分で爆笑。本人もちょっと笑ってるやん(笑)。「Tokyo-Osaka-San Francisco」最高。これは『ROCK’N’ROLL 1500』でいうと「LOVE on the beach」みたいな役割か。この曲をライブでやるなら弓場に代わっておれがラップしたいよ。

16. また朝が来るなんて
川本真琴さんを贅沢にキャスティング。タイトルだけ見ると絶望的な夜を思わせるが、これは希望に満ちた曲であり、ラジオ体操のときによく聞いた「新しい朝が来た希望の朝だ」という歌に近い。今、ネット検索したらあの歌のタイトルは「ラジオ体操の歌」というのだな。どうでもいい豆知識ばかり毎日増えていく。どうでもいい豆知識ばかり増やしておれはどこに行くのだろう。死刑囚がいるのは刑務所じゃなくて拘置所だ。命はいつまで燃えるだろう。まったくわけがわからない。また朝が来るなんて。笑ってしまう。『ROCK’N’ROLL 1500』から20年。あっという間だ。50周年を祝えるように長生きしよう。









[PR]
by kamekitix | 2015-12-29 10:00 | Review
10
Deerhunter
「Fading Frontier」
c0086766_22212739.jpg



09
花電車
「LIVE AT NOWHERE 1987-1989」
c0086766_22214212.jpg



08
立石草太
「hit and away」
c0086766_22215196.jpg



07
MG
「MG」
c0086766_22215947.jpg



06
CHVRCHES
「Every Open Eye」
c0086766_22221069.jpg



05
Sugar's Campaign
「FRIENDS」
c0086766_22222245.jpg



04
冷牟田敬
「noise myself」
c0086766_22223178.jpg



03
浦朋恵
「ナツメヤシの指」
c0086766_22224679.jpg



02
豊田道倫
「SHINE ALL AROUND」
c0086766_17233336.jpg



01
Weekday Sleepers
「Keep Left」
c0086766_22225880.jpg

[PR]
by kamekitix | 2015-12-07 17:24 | Review
1985年か86年、京都工芸繊維大か京都市立芸大か、の学園祭で行なわれたイベント『快楽の園』に出演したバンド、タマス&ポチスのボーカリストが安田謙一さんだった。共演バンドは、オフマスク00、うばざくら、ヘデイク、赤星。すげーメンツじゃん、さすがにこりゃ見に行くわ。まだ十代のおれはひとりで黒いロングコート(ニューウェーヴなので)着て北千里から京都まで行ったんだろうね。大きな階段教室でライブやってて、ヘデイクは大暴れ、いろんな機材が飛んできたり黒板の前でおしっこしたり。オフマスクは秋井さんがかっこよくて演奏中に客からタバコもらって机の上で叫んでた。うばざくらは自分と同じ大学(関大)で、コクトー・ツインズとドゥルッティ・コラムが混ざったような音でボーカルのお姉さんがキレイで大好きだった。お姉さんって言っても、今にして思うと、学生さんなんですけどね。赤星はのちに野ばらちゃんが加入するジャーリン・カーリンの前身バンドでオーディオ・スポーツの落合さんがいた。タマス&ポチスは安田さんがMCで「これが初めてのライブですので、みなさん将来”自分はタマス&ポチスの初ライブを観たんだぜ”と自慢してくださいね」と言っていたのを覚えている。改めて自慢しよう。おれはタマス&ポチスの初ライブを観ている。
c0086766_18323144.jpg


30年後。今年の夏の夜。千日前のカラオケボックスからダラダラ歩く。到着した『DIDDLEY BOW』の二階で安田さんに中日ドラゴンズのコーチ陣の無能ぶりについて愚痴ると「それは亀吉が”選手時代を知ってるコーチ”が増えたっていうことだけなんちゃうかな」と指摘され、なるほどそのとおりだと膝を打った。いつもネタにしてしまう、例の、ニセモノの代名詞、気持ち悪いシンガーについて話していると、安田さんは「結局”弟の作る音楽”なんていちばん興味ないやん」と笑って、おれは再び膝を打った。

新刊「神戸、書いてどうなるのか」は、安田さんのこれまでの著書と大きく趣きが異なる。雑誌に連載された記事のアーカイブいわば音楽ライターもといロック漫筆家としての全集的な本が多かったが、今回は音楽を媒介としないがゆえにコラムニストとしての本領がこれまで以上に強く発揮され、また半年という期間を決めて一気に書き下ろされているので、安田さんのパーソナリティがよりダイレクトに表出している。

音楽の代わりにテーマとなるのは神戸という町。

おれは神戸についてあまり思い出がなく、行きつけの店もないなぁ。学生時代に騒音測定会社のアルバイトをしていて阪神高速道路公団に何か月か出勤したことがあるぐらいだ。ポートアイランドでヘリコプターの騒音測定をしたこともあった。摩耶山のホテルの廃墟で夜通し即興演奏をしていたこともあったっけ。ノイズの記憶しかない。

2ページ見開き読み切りで次々と描かれる場所や店、人物がどれも魅力的で「これ、神戸くわしいひとが読んだらもっと面白いんだろうなあ」と嫉妬する。読み進めるうちにどんどん著者である安田さんのことを好きになっていく。チャーミングな人にしかチャーミングな町は描けないよなぁと当たり前のことに気づき、最終章「神戸育ちのてぃーんずぶるーす」を迎える。

消えてしまった店や亡くなった人の記述も多くてノスタルジックな悲哀も感じるが、本編最後の一文で、何があっても面白くあり続けるという、どこまでも粋な安田さんの姿を見ることができる。それはこれまでの安田さんの文章でもっとも力強く、永遠の箴言とすべき言葉だ。

平均寿命を考えるともうすっかり夏を終えて晩秋を迎えようとする年代であるおれには、これから生み出される新しいカルチャーに感覚的な乖離を覚えるだろう。テレビや映画を観ても、新しくできたショッピングモールに行っても、ライブ・イベントを観ても、何だか若いころ得たような新鮮さを感じない。そりゃそうだ。自分より一回りも二回りも年下の人が作っているのだもの。ただ、それらを面白くないと言ってしまったらお終いだ。いやもうだいぶ言ってるな。何に対しても「最近面白くなくなった」とは言わないようにしよう。まだまだ「おもろいおっさん」でいたいから。

安田さんの新刊をリュックに入れて、カンパニー松尾さんに会いに行く。おれは素敵な先輩たちに恵まれて幸せだ。

c0086766_18325575.jpg



[PR]
by kamekitix | 2015-11-29 18:39 | Review
ドリームジャンボ1分バトル

<Aブロック>

小森園ひろし 147
「もうちょいエエ女いくわ」。余計な説明なしで状況を想像させることに成功している。話芸は常に見る者のイマジネーションを喚起しなければならないという本質を突いている。優れた芸人だ。

クロスバー直撃 171
中華料理法律事務所。過剰な装飾で説明過多。センスの押し売り。余白がない。

とにかく明るい安村 173
全裸に見えるポージング。そんなに明るいとは思えない。

キンニクキンギョ 107
沖縄訛りがキュート。ネタはいまいち。

アイロンヘッド 161
長い袖。うわーつまんねー、と思った。

プリマ旦那 155
コーラのレシピ。面白い話をしてくれているのだがキャラクターに好悪が分かれるだろう。ぼくはいまのところ嫌いだ。うるさいんだもの。

セルライトスパ 166
長いソフトクリーム屋さん。「クリスマスは…...どっかで」に爆笑。オチも良い。でも決して漫才ではないな。

<Bブロック>

オレンジ 58
あまりにひどい風船芸でぶっちぎりの最低得点。「ローソクみたい」という一言の衝撃的なオチなさ。実は数年前に『マンスリーよしもと』でインタビューしたことがあるのだが、名古屋吉本の層の薄さは異常。

アイロンヘッド辻井 153
サザエさんの歌を今ふうのコードで。ひたすら気持ち悪い。

アインシュタイン 182
ETネタ。「おれ家阿波座」で爆笑。 異形ゆえの徹底的な自虐ボケと長い節回しのセルフ・ツッコミ。彼のアゴが長いから笑ってしまうという要因も大きいが、もしラジオで聞いたとしてもきっと同じぐらい笑えるだろう。準決勝、決勝も同じ構成のネタで完成された感がある。とにかく明るいのは稲田だ。

セルライトスパ肥後&堀川絵美 146
この女子は売れる気がする。

ダブルアート 115
ツッコミよけるネタ。このあとさらにネタが膨らむのを見たことがあるので1分はきついなあ。個人的には好きなコンビなので売れてほしい。

シュークリーマーズ 73
シェイクめっちゃ吸う。まだステージにあがっちゃダメなレベルに見える。

ありんくりん 63
沖縄のポリティカルなネタで客席がシーンとしてしまった。

<Cブロック>

コロコロチキチキペッパーズ 135
「やべえぞ」で押す感じ。これで笑うのは社会人として正しくない気がする。

てんしとあくま 146
つまらなそうなので再生をスキップしたけど、得点が高かったので慌てて見直した。韻をふまないラップというネタ。うーん。

鬼越トマホーク 70
昔の友達に似てて何だか懐かしい気持ちになった。「大きな声出すぞ」で笑った。ツッコミが半笑いなので興醒めする。なぜ笑うのか。

馬と魚とゆりやんレトリィバァ 120
R-1で初めて見たゆりやんレトリィバァは面白かった。インテリジェントかつ踊れる山田花子って感じ。しかしポピュラリティを得るには相当時間がかかるだろう。メジャーになるには相応のルックスが必要だと思う。

カーニバル 115
ブスで押す自虐ネタ。好きになれない。

守谷日和 127
ライバルに衣装を隠された歌舞伎役者。哲夫によると「シチュエーションだけでひっぱるネタ」がたくさんあるそうだ。面白いけどそれで食っていけるとは到底思えない。

ヘンダーソン子安 112
元自衛官。豆知識の披露にすぎない。

<Dブロック>

カバと爆ノ介 146
このコンビで笑ったことがない。

テゴネハンバーグ 150
アイドルの長いキャッチフレーズ。面白かったです。

デニス 126
「ブラジルまだですか」が可愛い。けど、これ「ブラジルが好きすぎる云々」ってタイトルみたいなのを言っちゃうから笑いが半減している。タイトル言わなくていいんですよ。観客が「この留学生、ブラジル好きすぎる!」って気づいたときに笑いが生まれるのに、最初にそれを言ってどうするよ。「見る者のイマジネーションを喚起すること」を自ら阻害している。

O-RAIL 159
アカペラ自慢のサークルにへたくそサックスが入っていて「おれいる?」がオチ。とくに感想を抱かない。

8.6秒バズーカー 133
ブレイク前夜という感じで、客席のリアクションがシーンとしてて面白い。1月ならキャーキャー大騒ぎだったかもしれないと思うとブームって怖い。

今別府直之 64
「ケーシー高峰です」と明言したところだけちょっと笑ってしまった。しかし、これで笑うのは社会人としては正しくない気がする。

バンビーノ 155
帽子を取って礼をしていたのでイイ子だなと思いました。

<準決勝>

とにかく明るい安村 135
アイロンヘッド辻井 144
てんしとあくま 103
バンビーノ 157
クロスバー直撃 147
アインシュタイン 165
コロコロチキチキペッパーズ 85
O-RAIL 110

<決勝>

バンビーノ 59
アインシュタイン 141

<ネタ組>

笑い飯
出産ネタ。「サルみたい」と、スピーカーもってくるところで爆笑。初めて見たネタなのですが、高いレベルで安定していて、さすがだなあと思う。

藤崎マーケット
嫌いじゃないけど、つまんなかった。「いか焼きの音」とか。なんやねん。

COWCOW
もんたよしのりネタ。個人的には笑えるけどけっこう世代が限定されるだろうなー。ツッコミ不要のネタで多田の役は誰にでもできる。ほぼピン芸。

ダイアン
ペンション。羊のピンクがかわいそう。初めて見たネタなのですが、高いレベルで安定していて、さすがだなあと思う。

トータルテンボス
インテリジェンス、リズム、脱構築を図る革新性。「数パー銭湯」「漫才におけるソロパート」など絶妙なボケ。微妙にホモネタを絡ませてくる繊細で緻密な構造美。知性を刺激する話芸にプロとしての凄みを感じる。


ザ・プラン9
カフェの面接。いまいち。

友近withロバート秋山


学天即
大好きなコンビなのだがいつになくネタ弱い。「二十日酔いにはチヂミが効く」ぐらいしか笑いどころがなかった。

和牛
ドラキュラ云々。つまんない。

テンダラー
古き良き芸人って感じで頼もしい。しかし、一瞬も笑えない。

シソンヌ
アレルギーなのに鍋するネタ。「たす......」で爆笑。限りなく地味なシチュエーションなのに演技の巧みさに惹きつけられる。しかしポピュラリティを得るなら歯を直したほうがよいだろう。

スマイル
目をつぶしに来るところだけ笑った。

2700
「ツネいない」のネタ。ツネかわいいけどバックトラックが録音されてるのは反則な気がする。2700は八十島のアカペラに限る。

アキナ
まったくスイングしない展開に見てられなくなってスキップ。

銀シャリ
「すごいな情緒が」で爆笑。銀シャリの漫才の冒頭30秒は目が離せない。「なぜか二番を歌う」くだりも笑った。ベタベタなんだけど笑える。銀シャリ乗ってるな~。

天竺鼠
撃たれても死なないやつ。一回も笑わなかった。

ジャルジャル
「角刈りのくせに」で押す。一回も笑わなかったよ。

ミサイルマン
Tシャツがtricot。

かまいたち


レイザーラモン
HGのキャラ転向にまだ慣れない。相変わらずプロレスがどうこういうネタなので見る側も吹っ切れていいのかどうか戸惑う。終盤つまらなくて飛ばしてしまった。このつまらないレイザーラモンは、過渡期なのか晩年なのか。

土肥ポン太
ミステリー仕立ての緊縛。スリリングかつ途方もないアホ。最高だがどうしようもなく最悪。

野性爆弾
[PR]
by kamekitix | 2015-03-02 22:50 | Review
20
YUKARI
『Echo』
c0086766_15592038.jpg

韓国人女性によるアンビエント風味のエレクトロニカ。キュートなウィスパーでPOISON GIRL FRIENDとかDream DolphinとかYUKA MIYAMOTOとか思い出して懐かしい。メッセージ性は皆無。ひたすらドリーミー。



19
王舟
『Wang』
c0086766_23543373.jpg

ceroや奇妙礼太郎は聴いていられないのに王舟のアルバムは大好きだ。なぜだろう。楽しい曲が多いけど彼の声は乾いていて押しつけがましくないので「つるんでる感じ」がない。軽妙な口笛のインスト「Dixi」は自分が作ってるミニコミのテーマ曲にしたいぐらい好きだ。ミニコミという言葉、死語にならないよう積極的に使いましょう。スカート『サイダーの庭』も佳曲揃いだったがボーカルにクセを感じて聴き込めなかった。澤部くんってあんな山崎まさよしみたいな歌い方だったっけ。



18
チロリン
『チロリン・アンソロジー1986-1987』
c0086766_15595175.jpg

新・チロリンに不満があったので、オリジナル・チロリンの再発がすごく嬉しい。「チョコレイト戦争」の12インチしか持ってなかったのですごく嬉しい。チロリンが好きなんや。時代はエクボ堂やで。「ベリーにね(途中途中)ファインにね(途中途中)」とか歌ってる途中で羽交い絞めにして「なんの途中やねん」と一喝したくなる。その不思議な魅力について全曲言及したいが、それは定年後の楽しみにとっておこう。島崎夏美さんが恵比寿でお店をやっていることもこの機会に知りました。



17
ライムベリー
「IDOL ILLMATIC」
c0086766_160555.jpg

事務所移籍&メンバー脱退という激動期を経てようやくドロップされたライムベリー渾身のアンセム。E TICKET PRODUCTIONこと桑島由一さんの命を削っているかのようなリリックとサウンド・プロダクトのダンサビリティが圧巻。唯一無二のガールズ・ラップ・スクアッドのスキルは健在。何度も言うけどライムベリーは彼女たちと同年代の女の子たちに訴求するプロモーションをすべきだ。ライムベリーのCDを「アイドル」ではなく「J-HIPHOP」のコーナーに移すことから旋風が巻き起こるだろう。



16
豊田道倫
『Non Stop 93』
c0086766_1601428.jpg

1993年に「パラダイス・ガラージ」と名乗っていた豊田が残した音源。21年経って突然リリース。当時は特にタイトルのないデモ音源としてカセットテープで配布していたようだ。ぼくはこの音にぶっ飛ばされて彼とコンタクトをとり続けた。同じ年の夏の終わりに「家族旅行のパラダイス・ガラージ」というカセットを聴いて、泣いた。そのあたりのエキスをギュッと凝縮したのが彼のデビュー・アルバム『ROCK'N'ROLL 1500』だったわけだが「住所交換」という名曲は後にも先にもこのデモ集にしか入っていない。いや、違う。ぼくが作ったオムニバス・カセット『シースルーノースリーブインターナショナル22』に入ってる。いや、しかし、それは「大阪アンノウンR&Rシューズ」名義だ。などと細かいことを思い出していたら『スカムナイト2』の映像を見たくなって、夏のみーくん大阪ライブで上映させていただいた次第。47才の夏も彼のおかげで楽しかった。



15
Especia
『GUSTO』
c0086766_1602292.jpg

このブログで全曲をレビューしたので、ぜひご参照ください。シティ・ポップという概念をリセットするかのようなアーバンで洒脱なアレンジは2014年のコンテンポラリー・ミュージックを象徴する。



14
昆虫キッズ
『BLUE GHOST』
c0086766_1603427.jpg

アパレル関係の知人と「女の子のファッションが80年代っぽくなってる」という話になったとき「でも実際に当時の服を引っ張り出して着てみたら、なんか違った」と言ってた。昆虫キッズの新作を聴くと懐かしい気持ちになるがジュリアン・コープとかエコー&ザ・バニーメンの当時の曲をいま聴くとやっぱり古臭くて、なんか違う、という感じに似てる。最新のニューウエーヴ解釈で良質なサイケデリックとJ-POPの融合を図る鋭いバンド。楽曲も演奏スキルもルックスも鉄壁の四人だけに活動終了は本当に残念だ。彼らをスターにできなかった音楽業界は無能。昆虫キッズは日本のフレーミング・リップスになれたはずだ。



13
倉内太
『ペーパードライブ』
c0086766_1604566.jpg

ひょんなことから知り合った気鋭のSSW。大阪でやったトークショー、楽しかった。ルックスも声もキュートでオーガスタかどっかに所属すればあっという間にパーッと売れちゃいそうな気がする。生い立ちや恋愛遍歴にかなり深い業があって一筋縄でいかないタイプだが、芸能人なんてみんなそんなもんだろ、とも思う。柴田聡子とのデュエット・ユニット、CHECK YOUR MOMも超絶天然カップルといった風情で最高にハッピー。売れようぜ倉内くん。



12
Weekday Sleepers
「Passion Fruits Telecrider」
c0086766_161035.jpg

厳密にいうとフィジカル・リリースはないので「disc」じゃないけど、今年すごく気持ちを高められた一曲。あの映画を観た人なら、このイントロが鳴ればいつでも昂ぶって、見る風景はスーパースローになって、最高のシーンできっと「summer,2014」というスーパーが挿入されることだろう。名古屋でカンパニー松尾さんに何度も会えて嬉しい年でした。



11
リンダ3世
『VIVA!リンダ3世』
c0086766_1611222.jpg

グループ・アイドル・ブームが産み落とした突然変異。いわばグンマ・サウンド・マシーン。ブラジル娘らしくサンバやボサノバのフレイバーもありつつ通底するのはダブステップ・コンシャスの先鋭的なエレクトロ・ファンク。圧巻は「Brazilian Rhyme」でアイドル・グループによくある自己紹介ソングだが、めちゃアガる。ベースの音圧ハンパない。これはもうファンカデリック'14でしょう。M.I.A.みたいなめっちゃくちゃなビートでガシガシ狂っていってほしい。



10
しんまち七色ばんど
「チャイニーシューズ」
c0086766_1347829.jpg

TwitterでCHVRCHESについて執拗に呟いていたら「日本にもローレンちゃんのような天使のいるバンドがあります」と教えていただいたのがこのバンド。これは可愛い。徳島県の小学生、女の子トリオ。ぼくはロリコンかもしれない。いちばん良いのは表題曲で、ひどく懐かしいシンセの音色、せつないBメロ、ちょっとトリッキーなドラミングが激しくキュート。それ以外の曲はZONE直系のガール・ロックでブレイク必至。リリースがなかったCHVRCHESの今年は停滞か温存か。



9
Fennesz
『Bécs』
c0086766_1613346.jpg

通勤時iPod再生回数ナンバーワン。フェネス6年ぶりのアルバム。もはやギターなのかピアノなのかわからない音がエフェクトされた塊となってボワーって感じでキラキラした感じ。最近のフェネスは水彩画が油絵になったような印象で『Venice』も『Black Sea』も少し重たかったのだが、この作品は俄然爽やかだ。エレクトロニカといえば、少しポスト・ロック寄りですが、TYCHO『AWAKE』も気持ち良くてこの夏ずーっと聴いてた。しかし、さっき上のほうで同じようなこと書いたけど、「10年後に聴いたらひどくダサくて鈍いんだろうなあ」と思ってしまう。フェネスの『Endless Summer』は2001年の作品だけどその衝撃はまったく色褪せない。この違いは何なのでしょうね。



8
Shin Rizumu
『シンリズム』
c0086766_1682743.jpg

神戸在住の高校生、新理澄くんのデビュー・アルバム。冒頭から繰り出されるコード展開の妙に驚かされ、メロディ・メーカーとしての無尽蔵の才能を感じる。アレンジもいちいち凝っていてキラキラと輝いていて、サンタナみたいなフュージョン・ギターが火を噴いたり、バーズみたいなイントロがあったり、スチールパンを起用したボッサなインスト曲があったり。頭でっかちでなくきちんとキャッチーなフレーズを用意しているところも優秀なポップスだと思う。ボーカルがまだ頼りない気がするが若々しい詩情とマッチしていて何とも可愛い。キリンジへの憧憬を謳っているが初期のサニーデイ・サービスのような朴訥さも感じる。まさに無限の可能性を秘めた存在。



7
3776
「overture op.11」
c0086766_13463857.jpg

富士宮市のご当地アイドル「3776(みななろ)」。サウンドの先鋭性が話題になっていたのでレーベルの通信販売で購入。半日で届いた。アスクルより速い。聴いた人の感想をネットで読むと「モーマスみたい」「ディス・ヒートのような緊張感」「キース・レヴィンとジャー・ウォブルが揃ってたころのPIL」などみんな言いたい放題。ゆるめるモ!みたいにモチーフがはっきりしたアプローチのアイドル・ポップスも興味深いが、3776は別次元。ぼくはギターのヒリヒリ感にスティーブ・アルビニを、大胆な編集のベッドルーム感にはシトラスを思い出しました。「さよなら小学生」とかいちばんキレキレだったころのyes, mama ok?みたい。



6
乃木坂46
「何度目の青空か?」
c0086766_162841.jpg

休日の多くを「YouTubeで乃木どこを見ること」に費やした2014年であった。いつも若月の姿ばかり目で追ってしまう。「ぼくは若月のことが好きなんだ」と気づく。若月はぼくのことどう思ってるだろう。再び「疎外された男子」を一人称にした乃木坂46の10枚目のシングル。「何度目の青空か?」という疑念は永い人生の課題で「いやー今日は10194回目の青空です」と即答できる人はいない。「青春を見逃すな」という刹那とのコントラストに胸が熱くなる。相変わらずAKBには感心しないし、この曲にも不粋な節回しは多いのだが、おニャン子クラブでぼくの胸を焦がした秋元先生への敬意もまた永遠だ。



5
ネス湖
「Stars in Daylight」
c0086766_1662341.jpg

NICE VIEW/GOFISHのテライショウタが中心と思われるアンダーグラウンド名古屋スーパーグループ・ネス湖によるCD-R。コントラバスと電子音。静かに爪弾かれるエレクトリック・ギター。いろんな物音。加藤りまの朗読カワイイ。それらをASUNAが繊細かつ大胆にミックスした32分1トラック。なんだかよくわからないけどめちゃくちゃ気持ち良いのでずっと聴いていたい。爽やかアンビエントと見せかけてドラッギーといういちばんヤバいタイプの音楽。CHECK YOUR MOMのライブに行って初めて観たGofishトリオがあまりにも素敵だったので物販でGOFISHのアルバムとネス湖を一緒に買ったのです。GOFISHも素晴らしい。Skrew KidとかGUIROとか、とんでもなく自分にフィットする音楽に突然出会えるのが名古屋の楽しいところ。



4
平賀さち枝とホームカミングス
「白い光の朝に」
c0086766_167172.jpg

新譜をあまり買っていない一介の会社員である私ですが「2014年この一曲」と問われれば(誰にも問われていませんが)、この曲。京都在住felicity/Second Royal所属のホームカミングスの暖かいサウンドと平賀さんの歌声が稀代のフィットぶり。80年代に流行した「ネオアコ」という概念が一回りして新鮮だ。おそらくおじさんたちがEyeless In GazaとかFELTとかに夢中だったころに生まれた人たちだろう。とにかく平賀さんの声が良い。相変わらず良い。平賀さんは可愛い。それにしても、最後に収録されたリミックスはひどく退屈で何度かトライしたがついに最後まで聴くことはできなかった。



3
DEERHOOF
『La Isla Bonita』
c0086766_13275565.jpg

NO NEW YORK的な破天荒さにNAKED CITYみたいな鋭さとGO!TEAMのような瞬発力を備えたベテラン・ジャンク・バンド、結成20年目の新作。大好き。女性ボーカリストが日本人なのでチボ・マットや少年ナイフ、古くはフランク・チキンズのようなイロモノっぽい先入観を持たせるが、DEERHOOFの楽曲はプログレに近い。これほど複雑な変拍子を熟達した演奏でポップに昇華できるバンドは珍しいだろう。90年代初頭、ボアダムズに影響を受けたソリッドなバンドがたくさん出演して「トリッキーな曲やったもん勝ちやろ」と凌ぎを削っていた大阪のイベント『地獄の原始人』を思い出した。



2
豊田道倫
『SING A SONG 2』
c0086766_1673038.jpg

「親が死んだとか離婚届を出したとか、そういう人生の節目に引っ張り出して聴いてほしいアルバム」と豊田は言った。10年ぶりの『SING A SONG』シリーズは40曲を一日で録音した掟破りの3枚組で。という話は以前に書いた。パッケージングをしたFJP-TRAX竹野さんの「3枚の盤をCDケースにセットする作業の果てしなさ」を聞くにつけ『SING A SONG 2』はダウンロード時代におけるパッケージ世代のカウンターアクションなのかもと思う。いや、それ以前に、この上なく簡素なフォームでありながら濃密な物語と美しいメロディに溢れたこの作品は、不毛な歌詞、軽率なメロディに過剰なアレンジを施し続けるあらゆる商業音楽への強烈なカウンターとして機能すべきだ。



1
川本真琴
『gobbledygook』
c0086766_168130.jpg

川本真琴の初期アルバムがソニーから再発されるという偉業。この2001年リリースのセカンドが今更ながら凄まじく素晴らしい。シングルが5曲も収録されていてそれぞれの熱量が途方もなく高い。当時”ケイト・ブッシュ路線”と言われた「ピカピカ」や「FRAGILE」のアレンジの緻密さ、繊細さ。ゴスペル調に展開していくプログレッシブな構造美に改めて圧倒される。「微熱」のイントロに涙。そして「桜」の波状攻撃。危うさの中に放たれる「誰も選ばない風に吹かれて」という言葉の凛々しさ。これほどの矜持と手間をかけてこそポップスと呼ばれるべきだと思う。RIDEとか思い出すオルタナ・ギターやクラブ系へのアプローチなど多彩なアレンジが実に贅沢。声のキュートさは言わずもがな。そして、再発にあたって当時を振り返る川本さん自身の手記があまりに赤裸々で新鮮な衝撃。
[PR]
by kamekitix | 2014-12-31 23:59 | Review
c0086766_21482691.jpg






みなさま良い年越しを!!

バイバイ
[PR]
by kamekitix | 2014-12-30 21:49 | Review
変拍子ロックの歴史を辿るとキャプテン・ビーフハートからザッパ、プログレに行き着くのであろうが、日本のパンクに限って言うと、あぶらだことボアダムズが後進に与えた影響は甚大だと思う。

彼らは従来の転調、混合拍子やポリリズムといった概念に加えて、もともとけっこう急展開に作られた小節をもう一度分断して編み直すような、複雑で緻密なカットアップ、アレンジを施し、鍛錬を重ねて演奏した。

ボアダムズはそれらにハードコアの文脈を、あぶらだこは文語体の歌詞をのせて、どこにも存在しなかった新しいロックを発明し続けた。80年代末期から90年代にかけての話である。

c0086766_23514534.jpg

2000年の大晦日に結成されたというZUINOSINはドラムス兼ボーカル、ベース、ギターというシンプルな編成のバンドで、猛烈なテンションで複雑怪奇な演奏をしていた。

吉田ヒロのギャグを思わせるフロントマン・砂十島NANIのアクションは、同時にボアダムズが山塚吉川のツイン・ボーカルだった時期のコミカルさをも想起させた。
とにかく面白くて、何度もライブを観に行った。

彼らは正に変拍子パンクの最終到達地点を提示していた。



2005年にデフラグメントからリリースされたこのアルバムは当時の彼らの放熱がパッケージされた歴史的な一枚だ。

複雑な楽曲の再現性にも感嘆するが、ぼくがいちばん驚いたのは歌詞カードが付いていたこと。
NANIが叫び散らしていた何語ともつかぬシャウトが可視化されていて、その再現性にも驚いた。

ヨシカワショウゴのビジュアル・デザインも圧巻で、ステージでのコスチュームやロゴ、アルバムの装丁などもクオリティが高く、他のボアダムズ・フォロワーを凌駕した。

「変拍子パンクの最終到達地点」については2007年にリリースされたHOSOMEのアルバム『NEW FASCIO』に更新されてしまったように思う。

しかし、ZUINOSINのファッション性がスケートボードやってる若者たちとかに支持されていれば、もしかしたら今ごろフェスでヘッドライナーを務めるようなビッグ・ネームになっていたかもしれない。
そう思えるぐらい彼らの先鋭性はポップでカジュアルだった。

3年前にぼくがDOMMUNEに出演したとき、見に来ていたカコイヨシハルが話しかけてくれた。

いろいろあってZUINOSINは終わってしまったが、いまはBACK DROP BOMBに加入して寿千寿という名前でギターを弾いていると教えてくれた。



バイバイ
[PR]
by kamekitix | 2014-12-06 23:55 | Review
c0086766_22264550.jpg

スリリングかつラグジュアリー。
聴くたびに新しい発見のある、宝箱のようなアルバム。
1984年リリース。
80'sポップスの歴史に名を残すべき名盤中の名盤だと思います。

坂本龍一が80年代初頭に好んで使用したシンセの音色、あの時期特有のタメの効いたアレンジで、穏やかなグルーヴを作っています。
ジョン・ハッセルの独特のトランペットに、稀代の奇才・ホルガー・シューカイのオリエンタルなトッピングが施されます。
リズム隊はJAPANからの盟友、ジャンセン=バルビエリの二人。
そして、ブライアン・フェリーがニューウェーヴ・シーンに与えた最も大きな影響である、あの感情の起伏を抑制した歌唱法で、極めて内省的に歌うシルヴィアン。
鉄壁の布陣です。



JAPAN時代にはビジュアル路線でアイドル視されていた彼がイメージの払拭を賭けたソロ・デビュー・アルバムでした。

でもJAPANはJAPANで『Gentlemen Take Polaroids』や『Tin Drum』など後期のアルバムは大好きです。
JAPANの特徴はうねり上げるようなミック・カーンのベース・ラインにあり、JAPAN解散後にカーンがBAUHAUSのピーター・マーフィーと結成したDali's Carと、この『Brilliant Trees』を聴き比べれば、JAPANのサウンドがいかに変態的であったか、逆に『Brilliant Trees』がいかに洗練されているか、がわかるでしょう。
いや、ミック・カーンを貶すつもりは毛頭ありません。ただ、未来永劫聴かれ続ける普遍的な音楽、という点で考えると彼のベースはあまりに特異だったかもしれません(ご冥福をお祈りしています)。

シルヴィアンはJAPAN在籍時から坂本龍一とコラボレートしていたので、このソロ・デビュー作に坂本が大きく寄与するのは当然のように思われました。

ラストの「Brilliant Trees」。エンディングの4分間が圧巻です。

何度聴いても不思議なアウトロ。
アンビエントであり、教会音楽風であり、雅楽のようでもあり、南の島の音楽のようでもあり......まったく国籍不明です。

その後、シルヴィアンは意外と途切れなく作品をリリースし、旺盛な制作欲求を見せています。
エポックとなった2003年の『Blemish』ではデレク・ベイリーとフェネスを繋ぎ、大友良英や秋山徹次も参加した『Manafon』(2009年)では、フリージャズ、エレクトロニカを通過した、何とも名状しがたい素っ裸のボーカリゼーションを聴かせています。

美貌とセクシャリティが売り物だった若き面影はすっかり払拭され、孤高の音像作家としてクールな熟成っぷりが期待されます。
1958年生まれだから、来年57才。
元美少年代表、初老の星ですね。

バイバイ
[PR]
by kamekitix | 2014-11-30 22:31 | Review
←menu