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豊田道倫の名曲「家族旅行」の歌詞を引用するまでもなく、夏はいつも短い。
逆にいうと他の季節が長い。とくに冬。
「四季」なのだから均等にクォーターで決めよう。政府は何をしているんだ。バカか。
夏は7月-9月。
10月-12月までが秋。
1月-3月が冬。
4月-6月が春。以上が日本の美しい四季です。

8月はいつも短い。
いやそんなことはないな。ちゃんと31日あります。
でもお盆休みとかあるからアッという間に終わっちゃいますね。
会社は9日間夏季休暇でした。
奥さんと近所や栄をデートして楽しかった。いろいろ買いました。
高校野球をネットで観たり。えっ、なんで一塁に投げるの!とか。
ジャンクフードだけで過ごす日を設けたり。
それにしても天気の悪い夏でした。
おもにDVDで映画を観ていた気がする。
あまりたくさんYouTube貼ると重いのですが。


『ドライブイン蒲生』
あらゆる間合いが長くてなんとも気怠い映画。そこが良い。人生は概して間合いが長くて気怠いものだからのう。演出も演技も巧みで、アドリブなのか芝居なのかわからなくなって引き込まれたところに黒川芽以のリアルなセックス・シーンがあって激エロ。何度も挿入されるヤマジカズヒデのギター・インストによるテーマがすべてを象徴している。


『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』
サトエリのキュートネスが炸裂。妹の復讐が完遂して赤い封筒がばら撒かれるシーンがエンディングでもよいと思った。偶然、永瀬正敏が死ぬ映画を二本続けて観たことになる。


『サウダーヂ』
これも気怠い郊外の町の物語。ブラジル移民団地、タイからの出稼ぎホステス、地元のヒップホップ・トライブ、派遣の土方、県議、飲料水の会社など、それぞれに生きる人たちの不器用だけど一生懸命な日常が交錯する大作。すごく面白い。登場人物がみんなチャーミング。特にタイから来ているホステス=ミャオちゃんが自室でギター爪弾き歌うシーン泣ける。ネイティヴやコミュニティに帰属することで問題が頻発する中、唯一どこまでも軽快なビンくんの生き方に共感しつつも、失意の果てに演じられる長回しの商店街彷徨シーン、田我流のラスト・シーンなど抱きしめたくなるほど愛しい描写が満載。こんなの二時間ちょっとで一気に観ちゃうのもったいない。半年ぐらいかけてテレビドラマで観たい感じ。


『受取人不明』
キム・ギドク、2001年の出世作。ショッキングな暴力シーンが多い。凄く高い熱量の物語を一気に見せる才覚に感動する。ヒロインのウノクちゃん可愛い。チャングクの死に様は『八つ墓村』『台風クラブ』の名シーンを継承する。


『私立探偵 濱マイク』
永瀬正敏で思い出した12年前のテレビドラマ。調べたらDVD化されていたので楽天で順次レンタル。豪華なキャスティングと大胆な脚本。フィルム撮影なので懐かしくてクール。全12話すべて違う監督、脚本家が担当するという実験ドラマ。第一話から難解で抽象的でアンニュイ。ゲストは菅野美穂、富田靖子、樋口可南子など。発狂した香川照之が病院の池で踊る。これを毎週放送していた2002年の読売テレビは偉大。第六話「名前のない森」でぜんぜんタイプじゃないけど何か気になる顔の女の子が端役で出ていて、クレジットされてる菊地百合子という名で検索したらのちの菊地凛子だった。

ほかには『弓』『ホドロフスキーのDUNE』『リアリティのダンス』『地下鉄のザジ』『もらとりあむタマ子』『キューティー&ボクサー』『豚と軍艦』『鰐』『ワイルド・アニマル』などを観ました。観すぎ。

読書は、なぜか買っていなかった根本敬先生『生きる 2010』に深い感銘を受けました。久しぶりにシュウラク・ジャック先生。んげげ。巻末にひっそりと記されたマディ上原と村崎百郎の名に涙。

あとはキングジョーが貸してくれた『天下り酒場』で原宏一にハマってしまい、『佳代のキッチン』『かつどん協議会』『床下仙人』と立て続けに読みました。
さっき動画を貼った『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の原作も読みました。ついでに本谷有希子『ぜつぼう』も読んだけど......。
西村賢太の小説はどれもだいたい同じで大好き。ラモーンズみたい。デビュー作「けがれなき酒のへど」を収録した『暗渠の宿』をブックオフで。

実はわたし、物語を記憶する脳の側頭連合野に欠損があるらしく、昔からそうなんですけど、どんな映画も小説も半年経つとストーリーをけろりと忘れてしまうので、何度でも楽しめます。

そうでなくともヤン・イクチュン『息もできない』は何度も観てしまう。


さて、プロ野球について。
中日の勝率がどんどん下がっています。
豊橋で藤井がサヨナラホームラン打ったころまではイイ感じだったのですが、お盆以降の急降下でジョイナス政権の昨年の順位さえ下回りそう。
今年の中日はコーチが多すぎないか。
兼任監督が捕手なんだからバッテリーコーチ(達川)いらんやろ。
投手コーチも二人いるし。森繁和も投手コーチみたいなもんでしょ。多すぎる。
辻も長嶋も波留も上田もいてワーワー言ってて、達川がしょーもないトーンでそれを混ぜ返し、谷繁監督が苦笑いしているのをどこかから落合が見てる。そんなチームいやだ。
高齢化の進む選手たちも誰の言うこと聞いていいのかわからなくて、サインミスとか増えてる。
コーチ陣が豪華すぎて谷とか地味な選手がベンチで萎縮しているのが容易に想像できる。
っていうか二軍コーチが手薄じゃないかな。
二軍の選手はみんな「英智さんの言うことよくわかんないっす」とか言ってる気がする。
福田とかぶーちゃんとか堂上兄弟とか森越とか、もうずーっと二軍なんですかね。
誰かがケガしたら仕方なく誰かが一軍入りしてる感じで、なんか二軍で鍛えられて実力で上がってきた、っていう選手がいないような。
5年後の一軍のクリーンアップどうなってるでしょうね。
「周平・平田・古本」になっていればいいですけど。
ちょっと誰かきちんとコーチ陣営の人事考えてー。

豊田道倫『SING A SONG 2』発売記念コンサート、大阪と名古屋に行きました。

大阪はベアーズ。前座で上映会しました。楽しかったです。来てくださったみなさんありがとうございました。
キングジョーが泥酔して周りのお客さんに迷惑かけました。アンコールの「新開地」、いちばんイイところで中断して豊田が怒ったけど、きっとお客さんずっとイライラしてたんだろうな。
昼2時から彼と飲んでいたのは自分なので、ちょっと責任を感じています。すみませんでした。
打ち上げはいつもの難波屋で。話題は主に加藤登紀子のアティテュード。
宿泊は日本橋。心斎橋で泊まる広島の吉田さんとタクシーで帰る。
吉田さんとは2012年のTIFで小桃音まいのステージを観ながら別れて以来の再会でした(笑)。
大森靖子が大阪に向かっているというので「着いたら電話してね」ってメールしたのにスルーされた。きゅるきゅる。

名古屋は御器所なんや。自転車で行って汗だく。夏だ!
いつになく若い女性が多かった。前回に続き1Fで真弓社長の知人の双子娘と豊田想平さんと遊びながら物販。
カンパニー松尾さんが大量買取したという名著「テレクラキャノンボール2013非公式BOOK」を作った山口雅さんはじめアメカル映画祭関係のみなさんと再会。楽しい夜でした。
みんなありがとう。

みーくんありがとう。来年の夏休みは想平さんと三人でスパワールド行きましょう。
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by kamekitix | 2014-08-31 11:33 | Diary
「乳首を強く噛みすぎた」という一節で始まる不朽の名作『SING A SONG』(2004年)の続編。
二枚組28曲収録だった前作に対して今回はさらにボリュームを増した三枚組40曲。
しかも一日ですべてのレコーディングを済ませたというから前代未聞、常軌を逸した暴挙だ。

10年ぶりの続編とはいえ、毎年コンスタントに作品を発表し続けている豊田。
このアルバムにも「飲みくらべ」や「元気だよ」といったすでに自主制作EPでリリースされた曲、「洗剤を買う時の気持ちはどう言えばいいのか」「2011」などライブでおなじみの曲のリテイクが多く収録されている。

豊田道倫というミュージシャンがもっとも輝くのは
・バンドでギター・ボーカルを務めてるとき
・かつて「和製BECK」と賞された宅録アーティストとして
・弾き語り
の、どれなのか。
この議論はパラガのセカンド『奇跡の夜遊び』が発表された1995年から連綿と続いてるわけですが、今回の『SING A SONG 2』を聴けば彼のソングライターとしての豊穣な才能に改めて打ちのめされることは確かだ。

『奇跡の夜遊び』がハマジムから再発されたときに書いた帯コピーを引用する。
『「完璧なポップス」が精緻に構築されていたという史実に、今、我々は愕然とする。それが「一発録りの弾き語り」であるにもかかわらず、だ』。
この感慨は今回もフレッシュに再現される。

mtvBANDやザーメンズで爆音を掻き鳴らすMTも好きだけど、弾き語りで剥き出しにされる彼のメロディの美しさには他と比較しようがないほど強い魅力がある。

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 ピンクのタオル 青いメガネ 緑のスイカ 赤いかげろう
 汗をかいて 肌と肌が 水を飲んだ 黒いシーツ
 愛し合ったことなんか忘れた 海に向かって車走らせ
 今年の夏は一番暑くなりそう
 さっきまでぼくは眠っていた
 さっきまでぼくは夢見てた
 さっきまでぼくは泣いていた

 (「サマー」)

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はっとするような美メロ満載の三枚組。丸裸で詰め込まれた40曲。
このアルバムをキャリア最高峰の傑作と呼ばずに何といえばいいのか。
二時間を超えるから、映画だとしてもちょっと長いぐらい。
冷静に考えるとキチガイだ。

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 区役所帰り安カフェで 貰った書類眺めていた
 これやっぱ全部捨てようかな まずいコーヒー飲みながら

 (「m t b」)
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この10年。
おとなの男だから当然いろいろ変化がある。
心境や環境が変わっても彼の歌声は変わらない。

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 海岸沿いを白い犬が 思い切り走ってゆく
 おれは今まであんな風に 走ったことあったかな
 汚れが染み付いた セーター脱ぎ捨てて
 もう一度あんな風に 走ることが出来たら

 (「2011」)
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これほどプライベートなテーマで歌い続けている歌手はあまりいないだろう。
それを露悪的なマンネリだと非難し嫌悪するひともいて当然だ。
それに、この10年で彼の収入が激増したようにも見えない。
おれは誰かに豊田について説明するとき、よく「わざと売れないようにしてる歌手」と言ってしまう。
彼にだって後悔があるかもしれない。

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 口から出まかせの歌で稼いだ 
 金はもうないよ いつものことだけど 
 小さなギター抱いて ひとり旅の夜
 どんな街も同じ
 遊び 遊び 遊びは楽しい
 遊び 遊び 遊びで生きるのか

 (「新開地」)
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それでも、豊田からあふれ出る胆力と楽観性におれは救われる。
何に対してもネガティブになるのは損だなあと思わせる、底力のようなポジティブネスを彼は持っている。
3月に大阪と名古屋で会ったあと、彼のメールには「東京帰ったらまた水泳に行かなければ」と書いてあった。
体力の維持に余念がない。
今回は海の歌が多い。
いつかプールの歌も聞けるかもしれない。

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 ゆきちゃん ゆいちゃん まりちゃん たよちゃん
 みきちゃん 元気かな
 なおちゃん まいちゃん りえちゃん まみちゃん
 ゆきちゃん 元気かな

 (「元気だよ」)
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たとえば、『うたのしくみ』の細馬さんがこのアルバムを聴いたらどんな解析をされるだろう。
豊田の歌に傾向や癖はあっても、おれには「しくみ」やセオリーがまったく見えない。
このアルバムにはひたすら「彼のしくみ」だけがあり、それを聴いて「おれのしくみ」が共鳴するばかりだ。
これはもう「うた」ですらない、なにか別のものなのではないか、とおれは思う。

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 嘘か本当か
 言葉と吐息だけで作り上げるインスタレーション
 化粧、また直すのか
 新しいセックスがしたいだけ

 (「おっさん & おばはんイリュージョン」)
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先月、彩ちゃんのお葬式からの帰途。
友人たちと品川のフライデーズで遅いランチ。
がっつりと肉料理が出てきて、当然のように食生活や体調の話になった。
「健康診断行ってるの」と豊田に訊くと「行ってない」「二郎食ってるから大丈夫」「勃起しなくなったら診てもらう」などと言う。
「あなたのソコはいちばん最後まで元気やろ。勃起しなくなるころにはほかの臓器全部やられてるよ」と言い返すと、豊田は「そっか」と言ってうなだれて見せ、みんな笑った。
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豊田道倫「SING A SONG 2」

レーベル:FJP-TRAX
品番:FJP001
JAN:4582237829624
フォーマット:CD3枚組
価格:¥3240(税込)
発売日:2014年8月6日

sing a song: 豊田道倫
recorded by 内田直之 at ラジオNIKKEI Studio4 (2014.4.29)
mastered by 宇波拓 at hibari studio (2014.5~6)

design by 山田拓矢
photo by 山本光恵

A&R: 竹野健一(FJP-TRAX)
FJP communication: 小山田誠

<収録内容>

(disc1)
1.弱いカップル
2.行きずりの街から
3.mtb
4.パンとコーヒー
5.軽トラ・トラ
6.501
7.39度6分
8.29000円
9.後悔
10.10年ぶりにさようなら
11.暮らしているよ
12.元気だよ
13.洗剤を買う時の気持ちはどう言えばいいのだろう
14.2011

(disc2)
1.ハーバーライト
2.SEA MAN
3.さようなら、おはよう
4.ゴミさま
5.もりのねこ
6.11年の夏
7.ミルキーソング
8.大海原
9.串カツ、食べるか
10.忘れたbaby
11.サマー
12.素朴なあの子
13.グッバイ大阪
14.月の下、池のそば

(disc3)
1.結婚の理由
2.ワークソング
3.私のコーヒー
4.ライオンとカレー
5.FGV
6.覚醒剤
7.おっさん&おばはんイリュージョン
8.愛とは
9.幻と名付けたんだ
10.飲みくらべ
11.マーマレイドの街
12.新開地


『泣いてもええんやで』

一日で2枚組28曲を録音した一発勝負アルバム、シンガーソングライター界の金字塔とも言われるモンスター・ハイファイ・アルバム『SING A SONG』から10年!
今度は3枚組40曲というボリュームで、『SING A SONG 2』がまさかの登場!
シンガーソングライター界の裏番、豊田道倫が、またもや凄腕エンジニア内田直之と挑んだ歌の結晶、表現の極北。前人未到の作品!

『この10年のおれ。って感じです。アホです。熱いです。メロはいいです』(豊田道倫)

<本人コメント>

『SING A SONG』というアルバムを作ったのが、2004年。34歳の時でした。当時、どこのレーベルからも声が掛からなくて、「もうそろそろ大阪帰ろう。このストック曲、全部録音してから」と、エンジニア内田直之くんを呼んで、一日で2枚組の28曲を録音しました。
悲愴な心持ちで作ったアルバムから、また少しずつ道が開け、それから10年何とか東京で生きてきました。

そして、あれから10年経ち、この間アルバムも何枚か出してきましたが、そこからこぼれる曲も結構あり、数えてみたら40曲。これは3枚組かな、と。。
大阪の新しいレーベル、FJP-TRAX(カオリーニョ藤原さんの『カオリーニョ藤原の真実』というアルバムをプロデュースさせて貰いました)から、今回のリリースが決まり、前回と同じく内田直之くんにお願いして、ラジオ局にバイノーラマイクとNEVEのプリアンプ、コンピュータを持ち込み、前回と同じく一日で録音してきました。
準備も時間をかけて、朝練でリハスタに通い、何とか無事やれましたが、そこからしばらくは呆然と、廃人状態でした。。

自分では分析など出来ませんが、妙に青臭い熱いアルバムなような気もします。かっこよくはない。
この10年で、成熟など全くしてこなかったようです。それは薄々わかってましたが。

それでも、胸を張って、44歳の最高のアルバムを作れたなと言えます。

いい曲も、だめな曲も、まあまあな曲も、よくわからない曲も、色々入ってます。

何かを見つけてもらえたら__。


よろしくお願いします。

豊田道倫


『SING A SONG 2』発売記念コンサート

東京 8月5日(火) TSUTAYA O-nest

豊田道倫
トークショー:カンパニー松尾 x 川本真琴
「『SING A SONG』から『2』までの10年、色々なこと、愛のこと」

大阪 8月16日(土) 難波BEARS
豊田道倫
オープニング・アクト:夏休み特別上映『劇場版スカムナイト2』(ナレーター:松本亀吉/30分)
「1993年8月28日、なんばベアーズで開催された『スカムナイト2』。
当時のベアーズ最高動員数153名を記録した伝説のイベント。
出演したのは、イナリアンタマシーナヘッド、クレア、スーパーボール、デジタル式、電動歯の5バンド。
この夜、観客のひとりだった23才の豊田道倫は演者として表現することに魅了され自らステージに立つ決意を固くしたという。
須原敬三が撮影していたこのイベントのVHSを最近になってPCに取り込んだ松本亀吉。
主催者として出演者として『スカムナイト2』に関わった彼が『SING A SONG 2』発売記念ライブのオープニング・アクトとして、その映像を初めて公開する。
豊田道倫の姿は映っていないが、彼のキャリアの原点となった衝撃的なパフォーマンスの記録を披露しつつ、松本亀吉が21年目の真実を語る、夏休み特別上映。」
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by kamekitix | 2014-08-06 00:00 | Information
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