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6月26日
今池Velvet-i-ScreamでBiSキャノ。松尾さん山下さんコンビに連夜の再会。松尾さんに紹介されたBiSファンの愛知県立名古屋南高校二年生Y君が営業マンとして完成された佇まいで面白かった。あんな高校生はいない。BiSキャノ、初めて観たが、テレキャノの方法論にアイドルを介在させるとまったく逆の結果が生まれるという現象が興味深い。すなわちテレキャノが放つ爽快な笑いが一切なく、後ろめたい苦笑に終始。ましてやBiSに一片の魅力も感じないおれのような観客にとっては誰にもメリットがないまま登場人物全員が疲弊していく様子しか読み取れない。おれの率直な感想は「BiSのすべてがダサくてつまらない」に尽きる。しかし、そんな果てしない徒労を松尾さんが編集しているのだからドキュメントとして面白くないわけがない。そして、この店、Velvet-i-Screamについて触れなくてはならない。ご夫婦で経営されている新しいクラブなのだが、奥さんが巨乳を強調した色っぽい美女で松尾さんに「顔にオマンコって書いてあるじゃん」と激賞されていた。いつかイベントをやるならこの店しかない。そう思わせる熱い握手。そして昨夜TOKUZOで会った黒ドレス美女、志保さんにも再会。帰ろうとすると雅さんがやけに色っぽい声で引き止める。なんだかセクシーな夜であった。山下さんとは16年ぶりの再会でした。誕生日一か月違いの同い年。またお会いしたい。

6月28日
なんとなく自動車の運転を始めている。20才の夏休みに合宿で取得した免許だが、ほとんど運転した記憶がなく、実に28年目の自主練習である。会社帰りに妻に同乗してもらって駅から自宅まで5分間ほどの運転から始めたのだが回数を重ねるほどに慣れてきて、今日生まれて初めてひとりで公道に出た。駅までの道をぐるぐる走ったあと少し遠回りしてモスバーガーのドライブスルーに挑戦。無事にシェイクを2個買って家に戻ると妻が「シェイク買えたなんてスゴイ」と爆笑していた。summer,2015

7月2日
大阪の採用担当のみなさんとカレーうどんが美味しい栄の居酒屋「千」で夕食。篠田さんが「大阪で内定してる学生の中に数年前までアイドル・グループにいたという女の子がいます」「いわゆる地下アイドルみたいで、アイドルに詳しい松本さんと言えどもご存じないでしょう」「たしかJKなんとかいうグループで...」と言いかけたところでおれは「それはもしかしてJK21ですか。JK21は立派なメジャー・グループで地下アイドルなどではありません」と言ってiPodに格納したアルバム『JK21やねん』のジャケットを掲げて見せた。「この子です!」と目を丸くする篠田さんに、初めてJK21のステージを見たときの感動/自らオファーしてインタビューしたアイドルはJK21だけである件/中崎町にある専用劇場にまで足を運んで定期公演「アトリエクラブ」を観たこと/劇場へのアクセスが梅田からも天六からも中津からも微妙に悪い件/彼女の卒業公演に行って記念に生写真を買ったこと/事務所の社長さんがすごく親身な良い人で自分が凹んでいるときに渋谷の焼き鳥屋で奢ってくれて今でもSNSで繋がっている話などを滔々と述べに述べまくり述べ倒した。グループ・アイドル・ブームなのでいつか面接で「学生時代はアイドル活動をしていました」と自己PR的に語る女学生が大挙訪れる日が来るのではないかと予言していたのだが、まさかこんなに早く、しかも自ら執心だったアイドルに内定を出すときが訪れるとは。

7月4日
珍しくひとりで大須を散策。バナナレコードで散財。コンパルで名物アイスコーヒー。モノコトでジョンのサンのライブ。ジョンのサンを語るのにマヘル・シャラル・ハシュ・バズとの近似性は不可避だが、今夜のジョンのサンはマヘルよりもずっとポップでいい意味でわかりやすい演奏をしていた。雑貨屋さんの店内に機材を入れた臨時ステージだったが音響のバランスが絶妙だ。ライブハウスだとよく見えなかった古賀さんのターンテーブル使いも明瞭で、どういう訳だかよく聞こえる。クリスチャン・マークレーかと思った。プライベートな話なのでどこまで書いていいかわからないけど立石くんが名古屋を離れるらしく、ジョンのサンとしてのライブはもうないかもしれないと聞いた。とても残念だしこれは文化的な損失だと思う。J-POP最終兵器ジョンのサン。今夜のセットはいつかフジロックのいちばん大きなステージで再演されるべきだ。

7月6日
人事部のスタッフとしてすべての従業員とその家族を想う気持ちは等価だが、そこには人情というものがあって、やはり特別な存在の後輩もいる。名古屋支店のOは新卒三年目のセールス職で、ともすればドブ板営業と揶揄されるような地を這うスタイルの細かいリテール営業をさせても大きな法人との商談を任せてもスマートに決めてくる。センスが良くて音楽の趣味も上品。こないだも王舟について語り合った。山奥でやってる名も知らぬコアなフェスにもフジロックにも行っちゃうフットワークの軽さも彼の魅力だ。おれの四年後輩で一昨年代表取締役に昇進したT氏に似たムードを持っていて信頼感がある。ちょっと特別に期待している若手。近い将来支店長になるべく7月から名古屋支店全体のマネジメントをするポストに着いたばかりだ。土曜の昼、彼はバーベキューかなんかするつもりだったのか岐阜県高山市の山道を軽トラックで走っていて雨後の泥沼にはまり、友人にアクセルを踏ませて自分は後ろから車を押して、ぬかるみからの脱出を試みた。何の拍子か友人の運転ミスか、Oは軽トラックの車体と山の斜面だかガードレールだかに挟まれてしまった。どういう体勢で何が起こったのか不明だが、結果的に彼は頭蓋骨と頸椎を骨折、重体で高山赤十字病院に運ばれた。一命を取り留めたようだが、頸椎をやってしまっているので大きな障害が残る可能性が高い。

7月10日
Oは、最も心配していた頸椎骨折が「頸椎損傷」の誤報で手術なしで治癒するレベルとのこと。しかし腰椎骨折と背中に大きな火傷が発見されて変わらず重篤な状況。激痛を点滴で抑えており依然として集中治療室で面会謝絶。ヘリコプターで岐阜大学病院に移送されて手術を行うようだ。快癒を祈って名古屋支店のメンバーで千羽鶴を作る。

7月15日
国生さゆりという歌手の「さかな」という曲があって発売当時にラジオで聴いてなんとも不思議な快感の名曲だった記憶がある。後年、何度かインターネット検索を試みたが有力な情報がなかった。久しぶりにアマゾンを訪ねてみると中古盤が出ていたので買ったよ。1989年発売のミニ・アルバムでした。シングルでもなくベスト盤にも収録されていないので情報が少なかったようだ。改めてじっくり聴いてみると果たして爽快なレゲエ歌謡。素晴らしい。Twitterで教えていただいた島崎路子のアルバム『フルーレ』(1988年)をも同時に購める。やや拙く不安定な歌唱力と可憐な声質の妙が丁寧に編まれた楽曲に溶け込むように調和しており、それは涼やかで、麗しく、実に愛しい。戦後70年。おれは80年代アイドルポップス最高傑作をようやく追体験したようだ。今後どれほどのアーティストが精勤してもこれ以上の80年代作品を作ることはできない。なぜならもう2015年だからね。オリンピックまた東京でやるのかよ。1964年にやったばっかりじゃん。おっちょこちょいだなあ、やめとけよ。

7月19日
日曜早朝恒例のモスバーガー・ドライブスルー。その後、午前中から名鉄で熱田球場に向かう。年に一度の高校野球愛知県予選を見に行く日。惟信対瑞陵という県立校対決。惟信の投手の直球が速いが瑞陵打線のタイミングが徐々に合って終盤逆転。良い試合だった。会社所有マンションのリフォームでトラブルがあり、地下鉄で矢場町まで行って管理会社を訪れ合鍵を貸してもらって瑞穂区のマンションへ。三連休の中日なのによく働いてしまった。家に戻って妻のパスタでビールと梅酒。読書は中村文則「掏摸」。スリの実用書としては面白いが物語としてはいまいち。「土の中の子供」や「遮光」のほうが好き。

7月20日
車を運転しておよそ3km離れたエディオンへ。2Fにあるブックオフ東海荒尾店はけっこう広い。100円文庫コーナーで松井今朝子「一の富」、筒井康隆「愛のひだりがわ」、愛甲猛「球界の野良犬」。妻の料理で飲酒。幸せな休日。

7月27日
Sくんがどうしても亀吉さんに会いたいというので仕方ないから第二回金山亀吉会開催。オリジナル・メンバーのコンちゃん&リオくんに、志保さんとかおりさん。インターネットでSくんについて詳しく書けないのが実にもどかしいが、とりあえずオナニーへの探求心と独創性、その創意工夫が実務レベルでプロフェッショナルであるとだけ書いておこう。アマゾンでCD。New Zion Trio『Fight Against Babylon』、原田知世『Soshite』。ずっと欲しかった「オバケのQ太郎」の単行本再発の報を受け、これもアマゾンで速攻ゲット。オバQ再発のニュースをコンちゃんのRTで知ったと思い込んでいてコンちゃんに「ほら!買ったよオバQ!」と得意げに披露したら、ぜんぜん人違いだったらしく、不安になるほど怪訝な反応をされた。インターネットって怖い。

7月31日
夕方から新幹線で京都へ。京都支店の新卒一年生たちと飲み会。ふたりとも前向きで素晴らしい。二軒で夜半まで楽しく話す。明るくて良いなあ。明るいひとがいいねっ。夜はこれまでの人生で宿泊したどんなホテルよりも狭い部屋で驚く。ユニットバスなどは「このような規格のユニットバスが生産、流通されているのだなあ」と感心するほど小さい。大柄な外国人客なら一度入ってしまうと身体の向きを変えることさえ困難であろう。いや、まず、この設備をユニットバスだと認識するのに一度フロントに確認の電話を入れるレベル。これで一泊9,500円は高い。ほかの町なら四千円以下のクオリティ。だいたい京都は戦争が起きてもこの町だけは空爆されないものだと安心しきっているから全体的に危機感がないんだよね、などと毒づいた気分で眠ると、どこまで行っても銃撃から逃げ切れない系のパニック映画調の超怖い夢をみた。この部屋なんかあったな。

8月1日
おれのタンブラーを埋め尽くす武田玲奈のグラビア・ショットはどれも美しい。かつて美形のギャル系モデルとして「お目かけ女の子」イベントでも紹介したのだが今春あたりから黒髪ショートに清楚なメイクで図ったイメチェンがクリーン・ヒット。武田玲奈は広末涼子以来の美少女だと書いても過言ではない。少なくとも佐野ひなこの存在感は一瞬にして遥か凌駕されてしまった。彼女の魅力について竹下ジャパンくんが「甘噛みマガジン」に書いていたが、彼の文章は大手広告代理店臭が強く隠しきれないリア充志向ゆえの無意識なオラつき感がおれのような24才まで童貞だった糞サブカル老害には眩しすぎて響かない。でも竹下くんには売れてほしい。少なくとも1999年の松本亀吉ぐらいは売れてほしい(たいしたことないな)。あれ。西原さん7月に「真夏のお目かけ女の子」やるって言ってなかったっけ。今日から8月。

8月4日
愛知県西部最高気温38度という猛暑。震えるほど暑い。HEADZ荻原さんよりメールで豊田道倫ニュー・シングルの音源が届いた。「そこに座ろうか」。先週MTに聴かせてもらっていたのだがハモリが鈴木祥子さんだとは気づかなかった。主旋律を凌駕せんとする勢いの妖艶なハモリ。根源的マイブラ愛に満ちた怒涛のシューゲイザー。久下さんのパンパンに張ったスネアの激烈なフィルイン。目の眩むような浮遊感を放つ、聞いたことないコード展開のサビ・メロ。しかもサビは一回しか演奏されないという狂気のアレンジ。これほど緊張感の漲るバンドは他にない。まさに極道ロック。轟音クラウトロックの様相を呈する「ファッキン・グレイト・ビュー」のアウトロの水の音は川か海か雨か。小さなウクレレでの弾き語り一発録り「サマー・モーニング」のよく聴くとそんなに爽やかじゃないけど無理やり夏っぽくしてみた感の軽妙さも個人的にはこの夏の気分にジャスト・フィット。だけどやっぱりmtvBANDでのアルバムに期待してしまう。

豊田道倫『そこに座ろうか』
2015年9月9日発売予定
定価:1,300円[税抜]
WEATHER 067 / HEADZ 209
1. そこに座ろうか
2. ファッキン・グレイト・ビュー
3. サマー・モーニング
4. I Like You(ACE STUDIO demo)
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musicians_
豊田道倫:Vocal & Guitars
mtvBAND:久下惠生(Drums)/宇波拓(Bass, Keyboards)/冷牟田敬(Guitar)
Guest:鈴木祥子(Vocal_「そこに座ろうか」)
produced & song_豊田道倫
recorded & mixed_内田直之(M1,2)
recorded_MT(M3,4)
mastered_中村宗一郎 at PEACE MUSIC
design_山田拓矢
photo_西光祐輔

8月5日
7年ぶりぐらいに近鉄特急を使って名古屋から大阪へ。難波で下りて日本橋のホテルまで歩く。酷暑でシャツが汗だくなのでチェックインするなり着替えてずぶ濡れシャツをボディソープで洗って干す。タワレコ経由で千日前の会場へ。大阪と名古屋の内定学生を招集したパーティー。学生さんたちは明るくて良い子ばかり。楽しく終宴。件の元JK21の彼女とも個別に面会。再会を祝う。社員だけの二次会出席を拒否して黒門近くのバー、ディドリーボウへ。キングジョー、ANGIE、カイちゃん、アイちゃん、店主の浦朋恵さんと楽しく夜半まで。先月リリースされた浦さんの新譜『ナツメヤシの指』が大好きなのでCDにサインを貰った。

8月6日
日本橋のホテルヒラリーズは最高にコンフォータブル。9時半にチェックアウトして懐かしい大阪のオフィスへ。定期的に凶悪な殺人事件や火災が起こる大阪市中央区高津。先月若い女性が刺殺されたマンションの前を歩く。売却した旧本社ビル跡には巨大なマンションが完成しつつある。ランチは大好きな黒門市場のカレー屋、ニューダルニー。新大阪から名古屋に戻って妻と名駅デート。台湾料理の鼎泰豐で小龍包とエビ冷麺とエビチャーハン。旨い。ミッドランドシネマで『マッドマックス怒りのデス・ロード』のレイトショーを観る。マッドかつマックスでデス&ロードな映画だった。妻とふたりで電車に乗るのも珍しいのだが、けっこう興奮してマッドマックスについて語りあう。妻は映画が好きなのでいろんな作品へのオマージュ要素が透けて見えたようだ。「カッコイイものを実写で作ろうとするときに現れる典型的なものの集大成のようだった」と普遍的なことを言う。分析の明晰さに唸りながらふたりで夜道を歩く。出張帰りの上に名駅でけっこう買い物をしたので荷物が重い。summer,2015
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by kamekitix | 2015-08-12 00:01 | Diary
3月1日
磯部涼のツイートがとても寒かったので茶化したらブロックされたのはまだしも九龍ジョーさえも怒り心頭っぽいディスを残しておれをブロックした模様。茶化されるの嫌なんだな。悪いことをしてしまった。数年前にもこの二人に悪態をついたことがあるのだが(たしか『ライブテープ』という映画の宣伝資料についてだった)、そのとき磯部&九龍はおれの勘違いを窘め諭してくれて関係を保ったはずだ。それがどう今回。ちょっと時代のバトンに触れただけでこの対応。すげーな「時代のバトン」。というのが憎まれ口で、実際、ライター廃業とか紅白レビューとか、ここ数年のヘタレっぷりですっかり呆れられているという空気を読めずに先輩風を吹かせ続けようとしたおれの果てしなく恥ずかしくだらしない失態。嘗て酒杯を交わした積年の知人たちとの交流が一文の軽率な投稿で断絶されてしまうのは大変寂しいが百パーセント自業自得。

3月9日
豊田道倫 & mtvBANDの新曲がDropboxで。冷牟田敬のソロ・アルバムがCDRで届いた。mtvBANDはなりすレコードから7インチ・アナログ盤でリリースされる「I Like You」。ファニーなほどキャッチーなパンク・チューン。24才のパラダイス・ガラージみたいなフレッシュネス&ラッスンゴレライ。長い轟音アウトロも最高。久下さん素晴らしい。「私の望むものは」の歌詞には何度も噴き出した。レッド・クレイオラからマイブラ経由でいよいよ想い出波止場に肉薄するmtvBANDは今年も凄い。冷牟田敬『noise myself』はいろいろなものに似ているようで何にも似ていない。自分の知る範囲でいちばん近いのはアスカ・テンプルのミニマリズムか。4ADやドゥルッティ・コラムのような端正かつ幽玄な反響は綺麗にゴシック趣味を回避しマイブラ的狂気を孕んだ轟音が凄まじく歪む。弓場宗治が生きていたらさぞかし激賞しただろうな。冷牟田くんがシスターポール好きなのもよくわかる。ディスコミュニケーションの果てにのみ炸裂し輝く孤高の美しさ。アーティストは群れたらお終いだ。

3月11日
夜、横浜に住む甥と栄で会食。会うのは14年ぶりで当時彼はまだ8才だったから実質初対面みたいなものだ。卒業旅行の帰途、名古屋で一泊するついでに叔父であるおれに会いたいとLINEが入った。隔世遺伝というのだろうか、おれの父親すなわち彼の祖父のDNAを濃く受け継いだようだ。姉貴にもおれにも遺伝しなかった松本哲郎という人の生真面目、潔癖などが彼の血液には引き継がれたようで、若き日の父親はこんな感じだったのだろうかと思うと懐かしいような不思議な夜だった。記憶力が良いらしく、嫡男であるおれよりも松本家の家系に詳しい。昭和のプロ野球についてもよく話せ、おれが南海ホークスのファンだったと言うといきなり「南海といえば久保寺内野手は残念でした」「確か大石大二郎の同級生でしたね」「野村監督が南海を離れた後すぐブレイザー監督でしたっけ。ああ広瀬監督がいましたっけ」などとアラフィフのパリーグ・マニアにしかできない話をガンガンしてくる。異常な情報量と朴訥とした話し方が面白い。今春筑波大を出て厚生労働省に就職するらしい。適任。

3月12日
中川さんという社員が持病で倒れて意識不明。54才。独身で親戚も遠方なので、いろいろたいへん。容体は重篤。おれは簡単に、絵に描いたようにダメージを受けてしまい、明らかに心因性の食欲不振。珍しく夕食時に動悸と抑うつ。

3月15日
心安らぐ日曜なのだが、美しい妻と朝食をとる穏やかで愛しい時間にさえ脳に不穏な暗雲が立ち上る。ソラナックスとパキシルを併用。毎月の通院が隔週になった。おれはケミカル志向のジャンキーだ。セックス、ドラッグ&乃木坂46。

3月20日
センバツが始まったりして年中でもっとも心の浮かれる時期なのだが酷く低調。朝から晩まで自分の脳の具合について考えている。「ストレスとプレッシャーは生き物だ。そいつらには特性がある。逃げる者しか追わない」という文章をタンブラーで読んで共感。そうだ。逃げずに受け入れよう。吐き気、フワフワ、ユーツな気分、すべて受けて立つのでどんと来い。パキシルCRの効果が出るのは早くても二週間後らしい。早よ効いて。「サイゾー」から森高千里についての原稿依頼。中矢くんという編集者のオファーは無条件で受けることにしている。彼には抗いがたい何かを感じる。アルケミー広重社長から花電車のライブCDのサンプル盤をいただく。おれが20才のころに録音したカセットの音源が、ある人を介して野間さんに渡り、今回3曲収録されている。28年にもわたって自分しか聴いてなかった記録が世界に公開されるという経験はあまりないことだ。妻がコーヒーに凝っていて、図書館で借りた本に載っているドリップについての記述をノートに書き写している姿がめちゃくちゃ可愛い。

3月26日
写真家の金子山と栄で晩餐。最近大森靖子の写真集を撮ったので明日名古屋クアトロで行なわれる彼女のライブの物販係として帯同したらしい。てっきりパルコの上のクレストンか近くのザ・ビーに泊まるのかと思ったらバンド・メンバーの宿泊は東別院のビジネスホテルとのこと。なかなか渋いなエイベックス。住吉町を往来するセクシー名古屋嬢たちに目を奪われてもう一軒行きたそうな金子くんの誘いをきっぱり断って帰る。この数週間、読書はスティーグ・ラーソン「ミレニアム」。3パート各上下巻の6冊を揃えた。精巧すぎるフィクション。恐ろしいほどにエキサイティング。神経乱高下の一因は「ミレニアム」にもあるのではないかと思うほど。

4月1日
入社式のスタッフとして前夜から東京。茅場町のホテルで大阪の後輩と食事。朝ひとりで地下鉄を乗り継いで豊洲からゆりかもめ。新橋からは混んでて乗れないだろうとおれの脳内ツールスレン予期不安センターから連絡があった。台場のホテル日航でフレッシュマン150名を迎え入れる。正午すぎ名古屋の営業部長からメールあり、くも膜下出血で危篤だった中川さん死去の報。ほぼ同じ時刻に太田出版の北尾さんからメール。こちらも訃報。

4月4日
大塚幸代さんの訃報が公表された。もう何年も会ってないから詳しいことはわからないけど時々ブログを覗くと陰鬱な文章が多かったので心因性なのかもしれない。とても残念で、悲しい。彼女に初めて会ったのはたぶん1997年。「クイック・ジャパン」でおれのページを担当していた土田さんという編集者が、おれは苦手で、幾度となく険悪なムードになり、編集長北尾さんはもはやそれを楽しんでいるふうだったが、ついに双方「これ以上無理」という状況で新たに担当として着任したのが大塚さんだった。豊田道倫が飛ぶ鳥を落とす勢いだった時期なのできっとパラダイス・ガラージのライブの打ち上げかなにかで初めて会ったのではないかな。おれは99年に会社の転勤で一年だけ東京に住んだのだが、その期間は大塚さんにずいぶんお世話になった。部屋を探すときから彼女を呼び出して三茶のミニミニについてきてもらった。池尻大橋の少し広めのワンルームを借りたのだがミニミニのひとはきっと大塚さんをおれの恋人だと思ったに違いない。思えばあの一年間は大塚さんと仕事をするためだけに東京に住んでいたようなものだ。毎号の連載と、太田出版で単行本を作る企画を彼女が担当していたので毎日のようにメールのやりとりをしていた。表紙や装丁にもずいぶんわがままをお願いして、とうとう刷り上がった日、当時おれが勤めていた山王パークタワーまで『歌姫2001』を30冊、紙袋に入れて持ってきてくれた。スタバのオープン席でおれを待っていた大塚さんの笑顔を忘れることはない。その後、彼女は太田出版を辞めてライターとして活動していた。ボーカルをやっているといって聴かせてもらったシベリアなんとかいうバンドの音源がすごく気持ち悪くて率直な感想を伝えたら疎遠になってしまった。だって気持ち悪かったんだもの。2012年の年末まで三年半東京に住んでいたとき(いわばおれの第二次東京期)は、大塚さんに一度も会っていない。「イベントをやっているのでいつかDJをやってください」とメールをくれたことがあったが具体的な展開はなかった。おれが東京を離れるとき、大塚さんはこんなブログを書いていた。中川さんの葬式と重なってしまい、川越へは足を運べず。斎場に花を贈った。

4月18日
朝から新幹線で京都へ。JET SETでレコード・ストア・デーのイベントがあり、キングジョーがDJをやるというので会いに行く。毎日起きてる時間はほぼ常時チャットをしている仲だが二人で会う機会はあまりないし、京都で会うのなんて初めてかもしれない。などと言いながら魁力屋でラーメン。行き交う観光客を眺めながら飲むビールが異常に美味しかった。JET SETではスカートの澤部くんがyes,mama ok?を流しながら話していた。楽しみにしていたシンリズムのソロ・ライブも聞けた。ジョーのDJのあと、Especiaのライブがあったが、大阪へ向かう麻衣ちゃんを見送るべく店を後にし、おれのEspecia童貞は守られた。JET SETの控室にいたはずだが一瞬も見かけなかった。Especiaとは永遠にすれ違っていたい。岡山でハーブの店を始めるという麻衣ちゃんは来週末にも京都を離れる予定で「今日亀吉さんに会えたのは奇跡みたい」なんて可愛いことを言う。試供品のティーバッグをくれた。千里の実家に戻って飲むと実に美味。読書は松井今朝子「吉原手引草」。江戸の廓を舞台にしたミステリー。

5月6日
刈谷日劇という映画館の件で皮肉っぽいツイートを投稿したところ、カンパニー松尾さんよりすぐ電話があり、爆笑。6月に今池でテレキャノ・イベントがあるとのことでお誘いをいただき光栄の極み。会社では新卒採用が佳境だが今年は経団連の不可解な協定があり学生さんの動きが読めず苦戦。

5月20日
アマゾンで買ったCDがいろいろ届く。Best Coast『Crazy for You』、Carlton and the Shoes『Heart Trobs』、MG『MG』、Snakadaktal『Sleep in the Water』、Sontag Shogun『Tale』。読書は武田砂鉄「紋切型社会」が痛快で夢中になって一気に読んだ。6月のテレキャノ・イベントを主催する山口雅さんと打ち合わせを兼ねてガルーバで夕食。会計システムが不明瞭で入店してきた別のお客さんたちと一緒に困惑。おなか痛くなるほど笑って店を出ると豪雨。

5月24日
妻の実家から古いレコードプレイヤー=ヤマハYP-700Cを譲り受ける。ベルトと針を通販で新調すると絶妙に稼働。しかしアナログレコードが家にほとんどないので東浦のハードオフで取り急ぎLPを7枚買う。フリートウッド・マックの1982年のアルバム『ミラージュ』が実に良い。妻が漬けた梅酒を飲みながらレコードを嗜む至福の休日。パキシルが効いてきたのか神経かなり安定。しかし、過去の日記を読むと、おれって、この10年ぐらい同じような感じで動悸が出てるなぁ。いい加減慣れよう。いちいちびっくりしない。

5月30日
名古屋に戻って二年半。あまり友人が増えないが、ハマジムのイベントやキングジョーの縁などで徐々に地元の知己を得つつある。常滑で急須のお店を営む粋なパンクス=ユニークコンちゃんと、多治見在住日本一の亀吉マニア=リオくんとで第一回金山亀吉会。麻婆豆腐の店でヒーヒー言ったあと、初体験のキャバレー花園でキャーキャー騒ぐ。花園を出てブラジルコーヒーで一服しようと思ったら何かイベントをやっていて満席の様子。「うーむ。堀田ダチオでも出てるんじゃないかな」とテキトーなことを言うと、ほんとにダチオさんのライブで、店の前でバッタリ、驚いた。武田砂鉄「紋切型社会」が面白くて仕方なくて、ジョーに買って送ってあげた。

6月10日
弊社ご用達の栄の南国風居酒屋バリハイで内定学生と社員たちの交流会を主催。内定学生は女性ばかりで、これまでリクルートスーツでしか会っていないので、私服で髪形を変えられたりするともはや誰が誰だかわからない。この傾向は年々強くなる。これまでもよく学生さんに対して「親子ほど年齢差がある」という常套句を使っていたが、ある学生さんのお父さんが47才と判明し、ついにリアルに親子差を超える関係値が成立。そりゃ話も合わんわ。しかし、みんな可愛い。悩殺レベルの可愛さに悶絶。もはや愛玩動物の域。撫で撫でしたい。しかし撫でた時点で人事失格となり解雇の憂き目に遭いかねないので我慢。おれはもう採用担当ではないほうがよいのではないか。いや採用担当だから我慢できているとすれば、採用担当であり続けたほうがよいのだろうか。実に悩ましい。今年の中日ドラゴンズは大方の予想どおり最下位を邁進。投手は大野だけが良い。京都のフリー文芸誌「耕し小手」のVOL.3が届く。妄想エロ小説を一編寄稿。去年のVOL.2の掲載作品を合評したページで身に余る好評が載っており嬉しい。「耕し小手」はいつも面白い。

6月13日
アナログ・レコード蒐集にハマってしまい、妻の運転で天白のハードオフへ。松原みきのファースト、シーナ・イーストンのファースト。松原みきはポスター仕様のジャケが実に美麗だが意外と歌いあげる演歌調で、今聴くとちょっとキツい。10年後に聴くと良い気がする。シーナ・イーストンのエバーグリーンなポップスはいつだって最高。YouTubeで1974年のNHKドラマ「夢の島少女」を観て衝撃。ちょうどジョーとチャットしていて、京都のギャラリーで個展をやるのに「海辺の小さな町のラブホテルのイメージで絵を描きたい」と言っていたので、そのシチュエーションと「夢の島少女」の余韻で「ホテルエンドレスサマー」という短編フィクションを一気に書いた。昨年の「マーブル」同様、小さなジンにして公表できると嬉しいな。読書は中村文則「遮光」。東海市出身の芥川賞作家でシンパシーをもって何冊か読んだが、かなり神経質かつ残虐で、とてもポピュラリティを得るタイプの作家ではないように思う。がゆえに大好き。特に「遮光」は平気で嘘を吐ける主人公の繊細かつ荒くれた言動が爽快なほどに狂ってて最高。

6月22日
ジョンのサンの立石草太くんと何度かメール・ラリー。ソロ・アルバムを制作してCD-Rで発表しているが入手方法が変わっていて「本山駅すぐのシロクマ書房という本屋の棚にこっそり差し込んでいるので黙って取ってきてほしい」とのこと。万引きの反対、万置きだ。梶井基次郎かよ。こういうトリッキーな芸当は嫌いじゃないので昼休みに地下鉄に乗って本山まで。ぱっと見たところ、店員さんから死角になったコーナーに紙に包まれたCD-Rが5枚ぐらい挟まっている。首尾よく一枚を抜き去り店を出た。立石草太『hit and away』はジョンのサンより輪郭がはっきりしていて「毎日がモノクロ無声字幕映画」などダンサブルでさえある。カバー曲が多いようであるが知らない曲ばかりだし、知っていたとしてもおそらく原型を留めないアレンジが施されているので、これはどうしようもなく確実な立石草太のソロ・アルバム。

6月25日
今池TOKUZOでテレキャノ・イベント。今回は英語字幕入りで松尾監督、バクシーシ山下さん、おれの三人が上映中にトークを入れるというコメンタリー式。上映しながらのトークはなかなか難しく、終盤は三人とも黙ってしまった。上映後に登壇して少しトークに混ぜてもらう。松尾さん50才の誕生日が近く、雅さんがバースデーケーキを用意していることを山下さんと共有していたがふたりとも段取りをすっかり忘れて終演。雅さんが客席で声を上げて慌てて巻き戻し、無事ケーキ贈呈式。楽しかった。東京からテレキャノ観覧ギネス記録を狙う世紀の追っかけOL、くましあんさんが安定の最前センターにいらした。原一男先生も絶賛、くましあんさんのパーフェクトなレポートはこちら。大阪からわざわざANGIEが見に来てくれた。黒いドレスの謎の美女三人組をコンちゃんの同級生=Sくんがナンパして同席。Sくんは名古屋最大の芸能プロダクションのエース級男性モデルでSNSはすべて事務所に管理されているからココでも滅多なことは書けないが、かなり面白い。榊原亜美ちゃんに金山まで車で送ってもらい帰途。雅さんのおかげで名古屋の知人が増えて嬉しい。感謝。
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by kamekitix | 2015-08-12 00:00 | Diary
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