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ボヤージュ

盆ボヤージュ

盆ボヤージュ #2

2022812()

open& start 15:00

旧グッゲンハイム邸(神戸市垂水区塩屋町3丁目5-17


DJ

安田謙一

松本亀吉

キングジョー

KEN KEN (Urban Volcano Sounds)

長谷川陽平

VIDEOTAPEMUSIC

MINODA


音響とお酒とおつまみ:

塩屋ハッピーマンデークラブ


薄皮饅頭販売:

わがし屋よだもち


料金:予約・当日ともに2,000

予約・問い合わせ:旧グッゲンハイム邸

TEL :078-220-3924 FAX: 078-202-9033

E-mail: guggenheim2007@gmail.com



# by kamekitix | 2022-07-20 00:00 | Information
タレントさんがSNSにアップした顔の画像を拡大して瞳に映っている家具や窓の外の風景から部屋の間取りを推理し、住んでるマンションを特定するというファナティックなファンの話を聞いたことがある。カラコンにも功罪があるということか。松村早希子さんの描く女性たちの瞳は黒目がちだ。カラコンで黒目を大きく見せる女子は多いが、そんなレベルではない。眼球がほぼ全部黒い。しかし、早希子さんの描く女の子たちの黒目に映っているのはセルフィ―用LEDリングライトでも同棲している彼氏のYシャツでもない。

2003年から描き溜めた少女たちの肖像が収められた84ページ。B5判で、絵本のような心地よい手触りのハードカバー。前半を占めるアクリル画が圧巻だ。蒼波純から始まる多数のアイドルたちのドローイングは色鉛筆やクレヨンが中心なのだろうか。絵画に詳しくないからわからないけど、どんなツールでも早希子さんのオリジナリティが滲み出ているのがわかる。

早希子さんとはライムベリーのライブへ一緒に行ったり(チェキ会に怖気づいていた私の背中を押してくれた話は何度も書いている)、エビ中では鈴木裕乃が好きだったり、シンパシーを感じることが多い。『溺死ジャーナルNEXT』の私と齋藤飛鳥さんの対談でも、肖像権の関係で写真を載せられない代わりにイラストを描いてくれた。誰も触れないし触れないでほしい余談だが、あのページは私の生涯最高のテキストで最低。墓場まで持って行きたい企画でコラボしてくれた早希子さんは共犯者だ。その腐れミニコミの裏表紙に採用させていただいた美少女画が今回の画集に収録されているのも嬉しい。

DOMMUNEでイベントをしたときにも早希子さんは来てくれて、出演者の姿をその場で描いていた。ライブ・ドローイング。その軽快なフットワークを見ていて、早希子さんのパンキッシュなモチベーションを感じた。おそらく彼女は抑え切れない欲求に従順だ。描こうと思ったときにはもう描き始めているのだろう。

この愛しい画集のすべてのページに描かれた少女たちの吸い込まれるような大きな瞳には、早希子さんの衝動と情熱が、はっきりと映っている。


sakiko427.thebase.in/
松村早希子『愛のひきだし、見えないお菓子』_c0086766_00400598.jpg





# by kamekitix | 2022-02-15 00:00 | Review
Noa Mal | Impostor Syndrome
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今年も新しい音楽との出会いのほとんどが、信頼すべきレコード店=FILE-UNDERの山田さんのツイートに起因していた。山田さんが紹介するレコードが気になってSpotifyで検索して見つけて聴いてしまうため、毎日ツイートを読んでいるのにお店には一度も行っていない。私は薄情で泥棒のようなリスナーだ。週に三度は自転車で大須を縦断しているのに「来週こそ行こう」と思い続けて一年過ぎてしまった。往年のロケット・オア・チリトリのようなチープな感触と戸張大輔みたいな不可解な奥行が共存するホーム・スタジオ特有のローファイ・サウンドに、ダルでキュートなボーカル。エレキを掻き鳴らすフィリピンのグランジ娘、ノア・マル。オルタナ・スター誕生の予感。アメリカのでっかいスタジオで録音した作品も聴いてみたい。


櫻坂46 | 流れ弾
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およそ坂道系の楽曲のクオリティには一縷の望みも抱いていない私ですが、だんだん気の利いた曲が増えてきたように思う。乃木坂でいうと昨年「SMAPっぽい」と話題になった「I see...」、今年の「Out of the blue」と4期生曲は高揚感のあるアイドル・ファンクの逸品だ。しかし日向坂には相変わらずひらがな時代の「誰よりも高く跳べ!」以外鑑賞に足る楽曲がなく、鼻歌みたいな、一筆書きみたいな、軽率な曲ばかりで、あんな可愛いグループなのにもったいない。櫻坂もサイマジョ神話に縋る亜流みたいなクソ寒い駄曲が続いたが、今年の「流れ弾」は高く評価したい傑作だ。イントロなしでガシャガシャ刻まれるギターのカッティング。音符と歌詞の文字数が合ってないから符割りがめちゃくちゃなまま歌とラップの中間を突っ走る。そもそも高速だから聞き取れない歌詞が多くて「誰も彼も家から出ない」と聞こえる部分も「本当に『誰も彼も家から出ない』なのか」と疑ってしまうカオス。森田と天ちゃんの身長差に比例して加速する櫻坂。来年もぶっ飛んだシングルを出してほしい。


Park Hye Jin | Before I Die
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パク・ヘジン「Let's Sing Let's Dance」をアンセムとする世界線。世界線って何だ。多様性を認めマイノリティを排除しない即ち「世界はひとつではない」という意味で使わわれるなら「世界線」は素晴らしい概念だと思う。彼女のクールな音に魅了された私はSpotifyで2018年以降リリースされているシングルを聴き漁った。最小限のトラック数でシンプルな構成つまりミニマム&ミニマル。とくに突飛な音色を使っているわけでもないのに実に独創的で圧倒的にキャッチ―だ。トレンドとは別におれ自身の嗜好にも周期があるのだが、今年「おれはハウスが好きなのだな」と再確認した。Spotifyがすごく便利という世界線。


ALL OF THE WORLD | lull
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共通の知人に会うといつも「今どこに住んでるんだろう」と話題になる、謎めいたオーナー=西木さん率いるレーベル=THANKS GIVINGの看板バンド、13年ぶりのニュー・アルバム。衝撃的な名盤『the dance we do』が2007年だったのか。ずっと聴いているし、メンバーの別ユニット=SKREW KIDの新譜が2018年に出ていたので、そんなに久しぶりな気がしない。一曲目の「Walls and a Ceiling」が先行公開された時点でこれはもう最高だと確信した。シュアな四つ打ちドラムとキャッチーでシューゲイズなギターとシンセ。「エフェクトを抑えた聴きやすいマイブラ」みたい。『the dance we do』のアコースティックな感触は減退していて、トラップ、クリックなどの手法を精緻に取り込んだハウス、ダブ、エレクトロニカ、なんとでも形容できそうな、ただ徹底的に端正なダンス・ミュージックの結晶のようなアルバム。愛知の宝だ。


桐原ユリ with 矢舟テツロー・トリオ | Sophisticated Baby
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超弩級の天然っぷりで地下アイドルの定義を拡張するまんぼうこと桐原ユリ、満を持してのアルバム。12月に小西康陽プロデュースのソロ・アルバムをリリースするピアニスト=矢舟テツローが全面バックアップ。鉄壁のジャズ・トリオに一歩も退かないまんぼうちゃんの歌声が際立つ。どこか自覚的なマイノリティの悲哀を感じさせる歌詞に感情全乗せ。歌唱スキルよりもそのピュアなエモーションに感動。溢れ出す瑞々しい才能がピチカート・ファイヴ『カップルズ』の世界を34年ぶりに更新する。万人の共感を得るようなポピュラリティは備えていないかもしれないが、多くの音楽ファンが彼女の歌に魂を揺さぶられるはずだ。無人の小さなライブハウスでの配信ライブを観たが「こんなとこにいるべき人じゃない」と思った。


LOG by MIYAUCHI YURI | Log 1
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宮内優里さんのホームページから引用。「2021年6月から、LOGという音楽配信の企画を始めました。気が向いた時に、その日その場所の環境音とともに断片的に音楽を残していく、マイペースな楽曲制作プロジェクトです」「住んでいる千葉県八街市周辺での録音・制作が中心になると思いますが、遠征先や旅行先など、色々なところでもやってみようと思っています。後日、調整・リマスタリングした完成版を10曲ずつまとめて、外部サービスで配信しています」とのこと!「LOG」って私が小さいころは「ログハウス」にしか使われない言葉で「丸太」の意味だった。調べてみると「木を伐採する」という動詞でもあり、同時に「航海記録をつける」という意味もあるようだ。船が木で作られていた時代の名残だろうか。インターネットが普及してパーソナルなテキストや画像を記録するサービスがWEB LOGと呼ばれ、それが短縮されて、今ご覧いただいている「ブログ」になったんだろ。たぶん。宮内さんのスタジオ録音盤、特に『トーンアフタートーン』が大好きな私はこのアンビエントの極致と言えるプロジェクトも追いかけて聴き続けたい。「マイペース」と書かれているが、これはインプロヴァイザーとしての確固たる自信とフィールド・ワーカーとしての覚悟がないとできないことだと思う。


Grouper | Shade
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おれはとにかくGrouperが好きで、もしSpotifyがGrouperの曲しか再生しないサブスクになったとしても月980円払い続けるだろう。アブストラクトにも程がある、ぼんやりしたピアノの音像で、もう自分がどこにいるのかわからなくなるGrouperだが、三年ぶりのアルバムは久しぶりにアコースティック・ギター弾き語り。わりとクリアで、自分がどこにいるかわかりやすい。しかし相変わらずこの人には拍子を刻むという概念がないのかと思うほどビートレスでタイムレス。BPM10ぐらい。不穏な音色なのにオカルティックにならないのは美しくオーバーダブされた彼女の声が柔らかくて優しいのと、全米でいちばん住みやすいと言われるオレゴン州ポートランドの快適な気候によるのだろうか。「Shade」といえば、おれは今年の初夏に駅前のMEGAドンキで大きなシェードを買って、ときどきベランダに取り付けて日陰を作り、その下にデッキチェアを置いて昼寝したりNetflixを観たりした。名古屋と常滑に挟まれた海沿いのわが町=太田川は愛知県のポートランドと言えよう。


PAVEL MILYAKOV & BENDIK GISKE | Untitled
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高校のころ、NHK-FM『現代の音楽』を聴くのが好きで、一柳慧やフィリップ・グラス、ヤニス・クセナキスなど偉大な作曲家を知った。弓場宗治がスティーヴ・ライヒのレコードをカセットテープに録音して学校に持ってきたが、彼がインデックスに手書きした文字が「スティーヴ・ラ化」としか読めず、友人たちはしばらくライヒをラカと呼んでいた、という話がおれは好きだ。旭化成の広告みたいな話。弓場の書く文字は小さくて読みにくいので有名だった。若い私が現代音楽をアカデミックに深堀りすることはなかったが、この年齢になっても未知で不可解な音楽に対する興味は薄れておらず、Spotifyで見たことも聴いたこともない、前衛的な音楽に出会うのが楽しい。現代音楽を解釈するには難解な音楽理論やメソッドの知識が必要だと思ってしまうが、高校生のおれが「なんかわからんけど変だからおもろい」と思って『現代の音楽』を聴いていた動機は案外正しかったのかもしれない。この作品はロシア・テクノ界で異彩を放つBUTTECHNOことPavel Milyakovとノルウェー出身のサックス奏者=Bendik Giskeのコラボレーション。モスクワとベルリンをデータが往復しオンラインで制作されたそうだ。そういえばALL OF THE WORLDも今回のアルバム制作過程でメンバーが顔を合わせることはなかったらしい。リモートワークがスタンダードになりつつあるね。Pavel MilyakovもBendik Giskeもたくさん作品をリリースしていて、どれも刺激的だ。Milyakovの昨年のアルバム『Masse Metal』とかTEST DEPT.みたいで凄い。こうしてSpotifyの深い沼で適当な泥遊びをしているおじさんだが、NHK-FM『現代の音楽』は今でも毎週日曜の朝に放送されている。64年も続いているから超長寿番組ですね。


G.S. Schray | The Changing Account
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SpotifyヲタおじさんがSpotify礼賛を繰り返しているだけの記事になっている。アナログ・レコード(ヴァイナルね)(は?ヴァイナル?ビニールのことだろ)(THE CRAZY SKBも「殺害塩化ヴァイナル」とは言わんだろ)とカセット・テープで育った世代のわたくし。十代の終わりにCDという媒体が登場し(初めて買ったCDは勇直子『アスファルトの天使たち』)(勇直子の旦那はジュンスカの宮田和弥)、MDプレイヤーも何台か使い潰し、CD-Rを再生できるMP3ウォークマンに驚愕し、iPodの登場に戦慄し、サブスクに落ち着いている2021年。思えばこれほど多様な音楽媒体、リスニング・ツールの変遷をリアルタイムで享受できたのは珍しく幸運な世代なのではないかと思う。さて、この素晴らしい音楽をどう書いていいのやら。おれはさっきからなにを書いているんだ。静謐でメロウでイノセント。ディープでオブスキュアでアンビエント。ギター、シンセ、ベース、ドラムスというオーソドックスな編成なのだが、ほとんど同じフレーズがないので迷路みたい。すごい不思議! どうなっているのだ。まぁフリー・ジャズってそういうものか。漂うような浮遊感が気持ち良い。どういうこと。オハイオ在住のミュージシャン=G.S. Schrayが一人で録音した、繊細な工芸品に大胆なエッチングを施したようなインストゥルメンタル。どんな媒体で聴いたとしても永遠に飽きないだろう。


Summer Salt | Sequoia Moon
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テキサス州オースティンのバンド。名前が良いですよね、サマー・ソルト。男性デュオでユニセックスなボーカル、丁寧なコードワーク。昨年よく聴いたWhitneyに共通するキャッチーな魅力を感じます。思い返しますと、私はほとんど男性ボーカルの楽曲を聴いてない気がします。この記事の中で男声が聞こえるのはこの作品だけで、他は全部インストか女性ボーカルですね。わざわざ表明することでもありませんが、私は男性が力いっぱい歌っているのが苦手で、暑苦しいと思ってしまうのです。だから、例えば、みんな大好きなCKBとか岡村ちゃんとか何度勧められて聴いても全然ピンと来ないんですよ。また「ブルース」と修飾される系統の音楽が年々嫌いになっていくようです。いつも涼しげなものを求めており、軽やかで爽快な音楽が好きです。そういう点でSummer Saltのラフでスイートなポップ・センスは私にぴったりですね。私のような者はカフェのBGMみたいな軽音楽ばかり聞き流しておればよいのです。


Moodoid with Melody’s Echo Chamber | Only One Man
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「私は」で始まる文章を、みんなたくさん書くべきだ。他人のことはどうでもいいのだ。「自分を主語にして語る元気さがいちばん必要」とブレイディみかこも言ってた。さて、私は最近性欲が減退している。加齢による機能の低下もあるのだろうが、異性の肉体にさほど執着しなくなった。マインドというか心構えが衰えている。薄着の見知らぬ女性たちの肢体を視姦するために一日中繁華街を彷徨っていた、あの夏の滾る性欲。本屋で立ち読みしている女の子の脇から胸の膨らみをたっぷりと時間をかけて網膜に焼き付けていた、あの狙撃手のような研ぎ澄まされた緊張感はどこへ消えたのだろうか。とはいえ、幸か不幸か、現状とくに勃起を絶対必要不可欠とするシチュエーションはないので、性欲の低下をそれほど悲観してはいない。なにより異性を愛でる気持ちは不変であり、むしろその視座に曇りがなくなっている。新入社員の女の子たちはみんな可愛くてたまらないが、かつてのような邪悪さが介在しないので清廉潔白。実に清々しい関係。そもそも彼女たちとはもう親子を超えて伯父と姪の年齢差になっているのだ。4年前に交通事故で大ケガをしたメロディ・ポシェット嬢の今年のリリースはこのEPだけっぽい。Rosemary Fairweatherもプラスチック米も可愛いが、メロデイ嬢の歌声はドリーム・ポップと呼ばれる数多のアーティストの中でも格段にキュートだ。キュートな歌姫を愛する私の気持ちは微塵も減退していないのだ。Melody’s Echo ChamberのギタリストでもあるPablo Padovaniのソロ・プロジェクト=Moodoidが多彩な女性ボーカリストをフィーチュアした『PrimaDonna』というコンピレーション・シリーズにも収録されているこの曲。アルペジエーターが暴走する終盤のアレンジも激キュート。


The Breathing Effect | Solarpunk Playlist
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Toro y MoiにUnknown Mortal Orchestraみたいな捻りまくったコード展開が混じったような、でも先鋭的ビート・グループでありかつ真っ当なポストロックでもある。LAのエレクトリック・ジャズ・ユニット。本来こういうのをミクスチャーあるいはフュージョンと呼ぶべきなのだろう。どちらも別の意味になってしまっているけど。このアルバムはどの曲も90秒ぐらい。既成のフォーマットをぶっ壊しつつ、影響を受けたジャズやロックへの正しいリスペクトも感じる。メロウでスペーシーでモダン。本当に新しい音楽。ただ、数年前のライブ動画を見たら結構ソウルフルに歌いあげてる曲があって、それはちょっと邪魔だなぁ~古臭いなぁと思ってしまった。


Haco | NOVA NATURO
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おれが生まれて初めて買った「日本のインディーズ盤」はAfter Dinner『Glass Tube』だ。1984年。同時に同じレーベル(Kang-Gung)から出たSHINOBU(4-Dの成田忍さんのユニット)のソノシートも買ったのだった。オープンロードという堂山町の輸入レコード店で、今は美容室になっている。馴染みの店がすっかりなくなってしまった東通り商店街の変遷を思うまでもなく、37年経っても意匠をアップデートして尖鋭さをキープしているHacoさんのサウンド・クリエイターとしての才覚は驚異的だ。乱暴に括ってしまうと「ドローン中心のドリーミーなエレクトロニカ」みたいに紹介されるのかもしれないが、どの曲も実験的なアプローチでありつつポップ。キュートな声で歌われる日本語詞は幅広い年齢層のリスナーを意識しているのか言葉のチョイスが平易でシンプル。細かいフィルの入ったスネアが走りだす「Pendulum Feelings」はダンサブルでさえある。幾重ものレイヤーの細部に織り込まれた無数の音の粒子に幻惑されるが、そこには『Glass Tube』の「Soknya-Doll」のような無邪気さも宿り続けていて、Hacoさんは永遠のニューエイジだと思う。


HYPER GAL | pure
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今年買った唯一のCDを最後に。HYPER GALのセカンド・アルバムが今年のおれの第一位。彼女たちの魅力については、おもに3年前の夏の溺死ジャーナルに書き尽くしていたと思っていたが、改めてハイギャはすげーな、ぜんぜん書き尽くしてなかった。HYPER GALをハイギャと略しているのはおれだけだけだろうか。3年前は呪文とラップの中間みたいなボーカルと硬質なミニマリズムが先行して「にせんねんもんだいやTHIS HEATを想起させる」みたいなことを書いていたのだが、今回の『pure』を聴いて想起したのはDAFのセカンドとうしろゆびさされ組だ。コハルさんの声が可愛くてたまらん。新しい音楽を聴くと感動する。例えばMelt-Bananaのライブを初めて見たときの衝撃に近い。ポスト・ポストロックの次の扉を蹴り破るHYPER GALはすべてを内包しつつすべてを超えている。それってハイパーじゃん。完全にギャルじゃん。このパーフェクト・ガールズはワールド・ツアーをすべきだろう。2018年7月に名古屋でHYPER GALのライブをやったのですが、一緒に出演してもらったハポン。はボーカルのカスミンが今年結婚して、披露宴でのセクシーな写真を見せてもらったよ。カスミンはカスミンでハイパー花嫁になっているぞ。おれは暖かくなったら、今回CDと一緒に買ったHYPER GAL Tシャツを着て出かけよう。ハイパーおじさんになりたい。


# by kamekitix | 2021-10-24 00:00 | Diary
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